気仙沼市南郷に「茶色い小瓶」という喫茶店がある。
店内にはところ狭しと、懐かしグッズが展示してある。
「これこれ、これはコロンビア(あれ?ビクターだっけ?)の犬でしたねー」なんてマスターと話をしていたら、「気仙沼のビデオを見る?」ときかれた。「見せてください」
そこには大正時代の豊かな気仙沼があった。
たしか、これは私が若い頃に、NHKでも放映されたっけ。
家族全員で観た記憶が。
今ふたたび見ると、大正という時代とは思えぬほど「豊かな気仙沼」に改めて驚いた。
なんでも、録画を始めた方は、東京の出張の際に「映画」の撮影現場を見たとかで、「これはおもしろい」と「撮影して上映する」ことを思いついたようだ。こんなにおもしろいものを気仙沼の人にも見せてあげたいと思ったらしい。
撮影は気仙沼市内の商店などを中心に「撮影して欲しい」と願い出た皆様を録画。現存するお店もある。大堀銀座にあった川(今は埋め立てられて残ってない)があって、あー、本当に川があったんですね。
野球をする様も録画されている。
この時代にユニホームをそろえて野球に興じる様には驚きました。観客も盛り上がっている。
人力車に乗って往診する医師の姿や、乗り合い自動車(外車)に乗る人々、お店で販売する若い女性の姿など、当時の気仙沼をこれほどリアルに見ることが出来るなんて!
気仙沼は、何度かの大火があった。
「気仙沼の歴史」を見ると、
大正4年:大火
大正5年:劇場「鼎座」ができる
大正7年:映画館「恵比寿館」ができる
とある。この上映は「恵比寿館」で行われたようだ。
私の実家周辺(魚町・海岸通り)も映っている。私の先祖も、この中にいるのかもしれない。
興味のある方は、「茶色い小瓶」に行って、マスターに話してみてください。