歌舞伎座:錦秋十月大歌舞伎(夜の部)

今月も玉三郎が出る! しかも片岡仁左衛門さんと一緒に演じる。ということで「夜の部」に参ります。

いつもの場所で記念撮影。

地上に上がって、パチリ。

歌舞伎座よ、今月も来ましたよ!

源氏物語じゃ。

今日のお席は「桟敷席・東3の二番」。お隣も女性。

一、婦系図(おんなけいず)本郷薬師縁日、柳橋柏家、湯島境内
泉鏡花・作、成瀬芳一・演出

早瀬主税:片岡仁左衛門
柏家小芳:中村萬壽
掏摸万吉:中村亀鶴
古本屋:片岡松之助
坂田礼之進:田口守
酒井俊蔵:坂東彌十郎
お蔦:坂東玉三郎

悲しいお話だ。一幕目は玉三郎さんの出演なし。仁左衛門さんも下を向いて謝っている。彌十郎さんが良い味です。「俺を棄てるか、婦(おんな)を棄てるか」って、そんなぁ、ねぇ。仁左衛門さんは昭和54年に歌舞伎座で演じたがのが初演。今回は6回目だそうだ。玉三郎さんは昭和58年に演じて、それから31年ぶりのお蔦。仁左衛門さんとは初演とは意外。別れたくないのに別れなきゃいけない。「この「湯島境内」の場は元々の原作にはなく、劇化されて以降に鏡花自身により戯曲として書き下ろされた、抒情あふれる名場面。主税とお蔦の切ない別れが時代を超えて胸を打つ」と書いてある。悲しい話です。

「和牛すき焼き弁当」、1,800円。

二、源氏物語(げんじものがたり)六条御息所の巻
竹柴潤一・脚本、坂東玉三郎・監修、今井豊茂・演出

六条御息所:坂東玉三郎
光源氏:市川染五郎
葵の上:中村時蔵
御息所の女房中将:上村吉弥
左大臣家の女房衛門:中村歌女之丞
比叡山の座主:中村亀鶴
左大臣:坂東彌十郎
北の方:中村萬壽

染五郎さんが、何というか、大人っぽくなりました。 19歳ぐらいだろうか。伸び盛り。それでも今回の相手役が玉三郎さんだから緊張するでしょうね。「光源氏とその妻・葵の上、六条御息所の三者の恋愛模様を「六条御息所の巻」として新たに描きます」と書いてある。玉三郎さんが時蔵さん演じる「葵の上」に嫉妬するんですよ。そして、次第に嫉妬に狂っていく、、、。恐ろしい。

出演はないが「夕顔」も生き霊に取り憑かれて亡くなってしまう。この時代は、本当に「生き霊」なるものを信じたでしょうね。

何というか、ゾっとするお話で終了したので、ゾっとしながら外に出る。

中村桐乃亮(きりのすけ)さんを襲名。おめでとうございます。次に拝見するのを楽しみにしております!

記念写真をパチリ。

あら、雨がパラついてきた。慌てて地下鉄の入り口へ。地下のお店は終了していた。東銀座駅から電車で帰ります。

本日、購入した写真は3枚。

今日は満席で、補助椅子が出ていたように見える。補助椅子はどうやって購入するのだろう?良い演目でした。

歌舞伎座:秀山祭九月大歌舞伎(夜の部)

歌舞伎座です! 玉三郎が「夜の部」に出演するので、今月は夜の部に参りました。

地下鉄を降りて、いつもの場所で写真。パチリ。

エスカレーターで上がって、パチリ。

今日は「本日千穐楽」の横断幕。楽日だなぁ。

イザ、中へ。本日のお席は「桟敷席・東2の二番」。ホットコーヒーを買って着席。

一、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
近松半二・作:太宰館花渡し、吉野川
太宰後室定高:坂東玉三郎
久我之助:市川染五郎
雛鳥:尾上左近
蘇我入鹿:中村吉之丞
大判事清澄:尾上松緑

これは本当に歌舞伎らしい演目。玉三郎の定高を見るのは2度目(たぶん)。前回は2016年9月

お話は大化の改新(645年)の時代だが、衣装、髪型とも江戸時代のものだそうです。1771年(明和8年)大阪・竹本座で近松半二が書き下ろしたもの。

2つの家の親子、「母と娘」と「父と息子」の物語。奈良・吉野にある山。太宰家と大判事家の領地争いがもとだ。ところが、娘と息子は出会い、そして恋に落ちる。許されぬ恋。天下をとった謀反人・蘇我入鹿は両家を取り潰そうと考える。

妹山と背山。夫婦を表す言葉になった「妹背山」。国の領地争い、その間にあるのが吉野川だ。今日は花道が二つある。こちら側にも花道。

玉三郎、松緑、その息子の尾上左近、そして市川染五郎。4人が並ぶ。見応えたっぷりでございます。

買った写真はこちら。

お弁当を頂きます。「味めぐり」、2,100円。美味しいです!

二、歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
武蔵坊弁慶:松本幸四郎
源義経:市川染五郎
片岡八郎:中村歌昇
駿河次郎:中村種之助
亀井六郎:市川高麗蔵
常陸坊海尊:大谷友右衛門
富樫左衛門:尾上菊之助
後見:中村吉之丞

毎回、寝てしまうのが「勧進帳」だ。なぜか、、、。今回もまた熟睡でございます。申し訳ありません。

1185年に平家が滅亡し、義経が鎌倉へ参じるが梶原景時から「裏切り者」と言われ、逃げる義経。九州に向かおうとするも暴風雨にあい、平泉に向かう。「安宅の関」を通るところが、このお話。

そして、私はグッスリと眠り、幕が降りる頃に目が覚める。なんともまぁ。

外に出て見上げると、わっ、幕が変わってる! 「錦秋十月大歌舞伎」だ。

「二日初日」の幕も。早いねぇ〜。

記念写真を撮って、帰ります。

歌舞伎座:八月納涼歌舞伎(第二部)

歌舞伎座です! 8月は3部で上演。今日は第二部を買ってある。14時30分から始まる。お弁当なし。

いつもの場所で写真を撮る。アングルが今一つでした。

イヤホンガイドを借りて、歌舞伎座の中へ。本日のお席は、桟敷席・東5の二番。ホットコーヒーを買って着席。

一、梅雨小袖昔八丈(つゆこそでむかしはちじょう)
河竹黙阿弥・作、髪結新三
髪結新三:中村勘九郎
弥太五郎源七:松本幸四郎
手代忠七:中村七之助
下剃勝奴:坂東巳之助
丁稚長松:中村長三郎
お熊:中村鶴松
家主女房おかく:中村歌女之丞
車力善八:片岡亀蔵
加賀屋藤兵衛:市川中車
家主長兵衛:坂東彌十郎
後家お常:中村扇雀

黙阿弥の作品。髪結新三だ。本当にあった話の説明がある。恋人を助けようと「婿の殺害」を命じたお熊は打首の刑に処せられる。その時の「黄八丈」の小袖が印象的だったらしい。お芝居の内容はグっと変更されている。

勘九郎さんは初演だそうで、いやいや立派です。セリフの中に「父親が」と出て来てヤンヤの拍手。この作品は明治6年、中村座で初演。初演は五代目・菊五郎。そして、六代目の娘婿が十七代・勘三郎。勘九郎のお爺さんだ。中村屋にとってはお家芸とも言える作品。

髪結新三を初和の頃に「カミイ新三」と言ったと説明が入る。あっ、本当だ。カミイだ。リズミカルで良い感じ。

お熊は鶴松さんが演じる。中村屋の三男のような扱いの鶴松。今日も良い演技です。中車さんは大事な役だが出番は少ない。もっと見ていたいものです。ラストシーンは舞台に直ってお辞儀をして終わった。ヤンヤの拍手。

二、艶紅曙接拙(いろもみじつぎきのふつつか):紅翫
紅翫:中村橋之助
虫売りおすず:坂東新悟
朝顔売阿曽吉:中村福之助
大工駒三:中村歌之助
角兵衛神吉:中村勘太郎
町娘お高:市川染五郎
蝶々売留吉:中村虎之介
団扇売お静:中村児太郎
庄屋銀兵衛:坂東巳之助

常磐津。舞踊作品。初演は1865年、あと数年で明治を迎える頃。守田座で上演。四代目・中村芝翫が演じる。いろいろな踊りを演じることから「五目踊り」と言ったりもする。秋の盛りという設定だったが、今は夏の設定で演じられる。浅草は観音様と新吉原もある。

若手がズラリと並んで見事。みんな顔が小さい! 昔の役者さんが出たら「顔デカ」と思うだろうなぁ。勘太郎さんも並ぶ。少し前まで、もっと小さかったが、背が伸びてますね。13歳だって。これから声変わりなど大変な時を迎えるんだなぁ。華やかに舞って終了。良い舞台でした。

歌舞伎座の外に出る。記念の写真も撮りましょう。ウーン、いま一つ。

向き直って、撮り直し。パチリ。

歌舞伎座よ、今月もありがとう〜!

歌舞伎座:七月大歌舞伎(昼の部)

歌舞伎座です! 今日は團十郎さんの通し狂言。楽しみだ。

今日のお席は、桟敷席・東4の二番。

竹田出雲・作、三好松洛・作、並木千柳・作、織田紘二・補綴・演出、石川耕士・補綴・演出、川崎哲男・補綴・演出、藤間勘十郎・補綴・演出

通し狂言 星合世十三團(ほしあわせじゅうさんだん)
成田千本桜
市川團十郎十三役早替り宙乗り相勤め申し候

発端:福原湊の場

左大臣藤原朝方
卿の君
川越太郎
武蔵坊弁慶
渡海屋銀平実は新中納言知盛
入江丹蔵
主馬小金吾
いがみの権太
鮨屋弥左衛門
弥助実は三位中将維盛
佐藤忠信
佐藤忠信実は源九郎狐
横川覚範実は能登守教経

全て、市川團十郎

静御前:中村雀右衛門
相模五郎:市川右團次
小せん:中村児太郎
片岡八郎/若葉の内侍:大谷廣松
伊勢三郎:市川男寅
鷲尾十郎/お里:中村莟玉
逸見藤太:市川新十郎
お米:中村梅乃
亀井六郎:市川青虎
駿河次郎:市川九團次
猪熊大之進:片岡市蔵
五人組作兵衛:市村家橘
梶原平三景時:市川男女蔵
お柳実は典侍の局:中村魁春
源義経:中村梅玉

初代:中村梅乃さん。中村梅之さんだった方。2013年に襲名された。私はおそらくは初めて見ると思う。

序幕:
 第一場 堀川御所の場
 第二場 伏見稲荷鳥居前の場
 第三場 渡海屋の場
 第四場 同  奥座敷の場
 第五場 大物浦の場

この演目は2019年7月に團十郎を襲名する前の海老蔵時代に初演された。義経千本桜が舞台になっている。それを團十郎らしい演出にして上映されたそうだ。初演の時は「夜の部」で上演され、16時半から22時までの長丁場の舞台になったそうだ。本日も11時から始まり、15時37分までの予定。

もうね、最初っから團十郎の早替わり。お見事。見応え十分。いつの間に、、、と思うほど、魔法のように変わる。凄いわぁ。場内から割れんばかりの拍手。グイと引き込まれて見る。11時から始まり、12時45分までの舞台。

お弁当を頂きます。今日は「茶飯藤娘」、1,800円。

二幕目
 第一場 下市村椎の木の場
 第二場 同  竹薮小金吾討死の場
 第三場 同  釣瓶鮨屋の場

團十郎は出ずっぱり。体力使いますねぇ。これを通し狂言というのは凄いお話だ。「義経千本桜」は1747年大阪・竹本座で人形浄瑠璃として初演され、翌年、歌舞伎になったそうだ。

大詰
 第一場 川連法眼館の場
 第二場 同    奥庭の場

市川猿翁さんが猿之助時代に演じた「佐藤忠信実は源九郎狐」を思い出す。團十郎さんも負けを取らずに頑張っているのは流石です。今日の演目は文句なしに「お勧め」の一つになった。児太郎さんも良い演技。本来なら「福助」さんになっていたはずなのに、お父様の病気により延期。それがもう10年も経ちますね。いつも、その事を思うのです。

外に出ます。

歌舞伎座よ、今月もありがとう!

そうそう、地下で写真を撮り忘れた。戻って撮影。ついでに洋服も買う。「試着室」がなくなっていた。試着したかった。鏡で当ててみて、大丈夫だろうと買って帰る。安いから良いね。

歌舞伎座:六月大歌舞伎(夜の部)

昨日、歌舞伎座から帰った後にすぐに予約をした。今日も歌舞伎座。嬉しい。

いつもの場所で写真を。

團十郎さんの来月の看板も、もう一度、撮りましょう。

今日は良い天気。歌舞伎座前で写真を。

昼の部の演目。

夜の部の演目。

歌舞伎座よ、夜も来ましたよ。

中に入る。本日のお席は1階・16列26番。1等の一番後ろの席。隣席が空いているのが助かる。久しぶりに桟敷席ではないから、荷物置き場に苦労する。

一、南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)
  曲亭馬琴・原作、円塚山の場
犬山道節:中村歌昇
犬村角太郎:中村種之助
犬坂毛野:中村児太郎
犬川荘助:市川染五郎
犬江親兵衛:尾上左近
犬田小文吾:中村橋之助
娘浜路/犬塚信乃:中村米吉
網干左母二郎/犬飼現八:坂東巳之助

若手がズラリと並ぶ。嬉しい。昨日、染五郎さんを見た時は、隣に並ぶおじさんと比べると顔が小さくて手足が長くて、何か、歌舞伎が別世界に入った気がしたが、今日は若手が並ぶと、皆さんが同じように顔は小さくて手足が長い。こうやって次の世代に移って行くんだなぁ。しみじみ。若手8人の平均年齢は28歳だそうです。

「八犬伝」は執筆期間が28年。出演数は400人。本の冊数は106冊というとんでもない数値が並ぶ。

水晶の玉を持っていて、そこに文字が浮かび出る。

暗闇の中で宝剣を巡って探り合うという演出。原作には「抜けば玉散る村雨丸(むらさめまる)」とあるそうだ。動きの美、止まった時の美。歌舞伎の美しさ。良い舞台です。

二、山姥(やまんば)
  初代中村萬壽・襲名披露狂言
  五代目中村梅枝・初舞台
  劇中にて襲名口上申し上げ候
山姥:時蔵改め・中村萬壽
山樵峯蔵実は三田の仕:中村芝翫
怪童丸後に坂田金時:初舞台・中村梅枝
源頼光:中村獅童
白菊:梅枝改め・中村時蔵
猪熊入道:中村萬太郎
渡辺綱:初舞台・中村陽喜
卜部季武:初舞台・中村夏幹
源賢阿闍梨:中村錦之助
平井保昌:中村又五郎
多田満仲:中村歌六
藤原兼冬:尾上菊五郎

劇中で「口上」がありました。今日は獅童さんのお子さん達も。時蔵さんの父親も祖父も、「妹背山」で襲名披露をしたのだそうです。新しい萬壽さんはお父様が早くに亡くなり、歌右衛門さんに教わったのだそうです。そして、祖母からも教わり、梅幸のおじ様、七代目・菊五郎さん、芝翫さんにも教わったそうです。そうやって、代々、引き継いでいくのですね。

お弁当を頂きます。今日は「天むす弁当」、2,300円。

結構、ボリュームがありました。

昨日、桟敷席から見た緞帳はこんな感じ。左側に3人の名前が記されている。

昨日は見なかったが中村陽喜さん、中村夏幹さんの緞帳も。

三、魚屋宗五郎(さかなやそうごろう)
  河竹黙阿弥・作、新皿屋舗月雨暈
  初代・中村陽喜、初代・中村夏幹:初舞台
魚屋宗五郎:中村獅童
女房おはま:中村七之助
丁稚与吉:初舞台・中村陽喜
丁稚長吉:初舞台・中村夏幹
召使おなぎ:片岡孝太郎
鳶吉五郎:尾上松緑
小奴三吉:中村萬太郎
磯部主計之助:中村隼人
菊茶屋娘おしげ:市川男寅
浦戸十左衛門:坂東亀蔵
父太兵衛:市川権十郎
菊茶屋女房おみつ:中村魁春

中村陽喜さん、中村夏幹さんの初舞台です。花道から登場。われんばかりの拍手。そして獅童さんが酒をガンガン飲んで酔っ払っていく様は本当も面白い。妹のお蔦が不義の疑いで手打ちにされたことを知り、殴り込みに行くわけだ。しかし、ヘベレケに酔っ払って眠ってしまう。目が覚めて青ざめるも終わったことには何とも。しかし、最後はハッピーエンドで終了するのですよ。舞台はハッピーに終わるのが嬉しい。

外に出ます。

歌舞伎座よ、今月もありがとう!

マスクをとって、もう一枚。

銀座・和光ではディスプレーを変更してました。ヘェ〜。

銀座駅から丸の内線で帰ります。お疲れ様でした。

歌舞伎座:六月大歌舞伎(昼の部)

大雨が降っている。歌舞伎座へ。まずは地下でお弁当を購入。いつもの場所で写真をパチリ。

7月の大きな看板だ。

裏側は團十郎がズラリ。来月も楽しみだわ。前にお蕎麦を食べてコーヒーを飲んだところは、今は洋服売り場になっている。ちょうど良い服があったので買う。安い。ラッキー。

地上に上がって歌舞伎座の中へ。イヤホンガイドの案内が出ている。インタビューがあるらしい。楽しみ。

襲名披露だ。こちらは新しい中村梅枝さん、五代目。

中村陽喜さん、中村夏幹さん。いずれも初代。

ホットコーヒーを買って席につく。今日のお席は桟敷席・東3の一番。

今日、初めて見る緞帳。萬壽さん、時蔵さん、福助さんの祝いの緞帳だ。華やか。

一、上州土産百両首(じょうしゅうみやげひゃくりょうくび)
川村花菱・作、齋藤雅文・演出
正太郎:中村獅童
牙次郎:尾上菊之助
宇兵衛娘おそで:中村米吉
みぐるみ三次:中村隼人
亭主宇兵衛:松本錦吾
勘次女房おせき:市村萬次郎
金的の与一:中村錦之助
隼の勘次:中村歌六

獅童さん、菊之助さんとも、初役だそうです。幼馴染の二人は互いの懐から財布を抜き取ってスリを働いてしまったことに嘆き、これからは堅気となって真面目に生きようと誓う。そして、10年後に、またここで再会しようと誓う。時は経ち、さて、二人は、、、。お二人とも良い芝居です。グイっと引き込まれた。

お弁当を頂きます。「和牛すき焼き弁当」、1,800円。

二、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
所作事 時鳥花有里(ほととぎすはなあるさと)
源義経:中村又五郎
傀儡師種吉:中村種之助
鷲尾三郎:市川染五郎
白拍子伏屋:尾上左近
白拍子帚木:中村児太郎
白拍子園原:中村米吉
白拍子三芳野:片岡孝太郎

染五郎さんは顔は小さくて手足が長い。隣で演じるおじさまと、あまりに違う。歌舞伎が別物に見えてくる。これからはこういう歌舞伎になるんだなぁ。「義経千本桜」は何度も観ている。と思って見始めたが、どうもいつもと違う。いつも観ているのは「吉野山」。今日は違った。今日は「義経主従が河内から龍田を抜けて大和へ向かう様子を長唄の舞踊で描きます」ということです。なるほど。

三、妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん)
 六代目中村時蔵・襲名披露狂言
 三笠山御殿
 劇中にて襲名口上申し上げ候

杉酒屋娘お三輪:梅枝改め・中村時蔵
漁師鱶七実は金輪五郎今国:尾上松緑
入鹿妹橘姫:中村七之助
おむらの娘おひろ:初舞台・中村梅枝
官女桐の局:中村隼人
官女菊の局:中村種之助
官女芦の局:中村萬太郎
官女萩の局:中村歌昇
官女桂の局:中村獅童
官女柏の局:中村錦之助
官女桜の局:中村又五郎
官女梅の局:中村歌六
烏帽子折求女実は藤原淡海:時蔵改め・中村萬壽
豆腐買おむら:片岡仁左衛門

「妹背山婦女庭訓」だ。面白いのは劇中に「口上」があるのだ。珍しい女型の仁左衛門さんが仕切る。新しい中村萬壽さん、新しい中村時蔵さん、そして、初舞台の中村梅枝さん。三代並びました。われんばかりの拍手喝采。襲名披露って良いですねぇ〜。そして普段は男役を演じる皆さんが官女を務める。獅童さんも。そして、おもしろおかしく場面は進む。

雨は土砂降りで、今日は東銀座駅から帰ります。あ〜、夜の部も観たくなったなぁ〜。

歌舞伎町大歌舞伎@THEATER MILANO-Za

新宿は歌舞伎町の「THEATER MILANO-Za」で歌舞伎を観る!

この新しい建物に入るのは初めて。今日はダンナも一緒に来てる。ところで何階にあるかも調べずに来てしまった。すると和服をお召しになったご婦人がいらして、おそらくは劇場に行くだろうとついて行った。正解。それは6階でした。しかしエレベーターは「6階は止まらない」と。あらら。5階で降りてエスカレーターで上がる。

イヤホンガイドがありました。2台借りる。そして、お席へ。12時スタート。

1階H列15番、16番。中央に位置している。

正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)
一、流星(りゅうせい)
〈正札附根元草摺〉
曽我五郎時致:中村虎之介
小林妹舞鶴:中村鶴松

虎之介さんと鶴松さんの美しくも凛々しい舞。ステージは歌舞伎座に比べて横には狭い。花道もない。その分、親近感を感じる。

〈流星〉
流星:中村勘九郎
牽牛:中村勘太郎
織女:中村長三郎

親子3人での舞。親子3人です。感無量。父上の勘三郎さん、お祖父様の勘三郎さんが見たら泣いてるな、きっと。よくよくお稽古しています。上手い。長三郎さんが可愛らしい。勘太郎さんは凛々しく舞う。これからが期待出来る方々です。

ここで休憩がありました。30分くらいか。この休憩でお弁当を食べている人が何人もいらした。なるほど。その手があったか。大急ぎで家で食べてきた身としては感心することしきり。

二、福叶神恋噺(ふくかなうかみのこいばな)
落語「貧乏神」より、小佐田定雄・脚本、今井豊茂・演出

貧乏神おびん:中村七之助
大工辰五郎:中村虎之介
貧乏神すかんぴん:中村勘九郎

七之助さんのおびんが可憐で、虎之介さん演じる辰五郎を立派に立ち直させる。何ともお芝居らしいストーリー。花道がないから、客席の道を通る。すぐそばを通るから拍手喝采。そして最後がハッピーエンドで終わるのは嬉しい。劇場を出た後も笑顔になるお芝居。

新宿は歌舞伎町でこんなに良いお芝居を観ることが出来て幸せです。

演が終わるとエスカレーターやエレベーターが混み合うことを避けるため一列ごとに立ち上がり、進みます。その前にこちらも見て行きましょう。

のぼりが美しい。

本日の出し物。

ダンナはお土産を買います。「歌舞伎座 雷おこし」、美味しいです!

歌舞伎座:團菊祭五月大歌舞伎(昼の部)

「團菊祭五月大歌舞伎」です!

10時20分頃に東銀座駅に到着。すぐお弁当を買って、いつもの場所で写真。

「宮城伝統こけし」だ。そうか、私が親しんできたのは、この宮城こけしだったんだ。ヘェ〜。

地上に上がります。今月の出し物。

歌舞伎座よ、今月も来ましたよ。

記念写真をパチリ。

少し待って、10時半ドアが開きました。中へ。「四世 市川左團次」さんの一年祭追善公演です。左團次さん、もう1年経つのですね、早いなぁ。

ホットコーヒーを買って、お席へ。今日のお席は、桟敷席・東2の二番。

一、鴛鴦襖恋睦(おしのふすまこいのむつごと)おしどり
河津三郎/雄鴛鴦の精:松也
遊女喜瀬川/雌鴛鴦の精:尾上右近
股野五郎:中村萬太郎

このお話は「上・下」の巻があり、いずれも「曽我もの」に所以するそうです。帰ってから「曽我もの」を検索すると「建久4年(1193年)5月28日、曾我十郎祐成(そがのじゅうろうすけなり)と五郎時致(ごろうときむね)の兄弟が、源頼朝が行った富士の裾野の巻狩に乗じ、父の敵工藤祐経(くどうすけつね)を討った仇討の物語を題材とし、能、文楽、歌舞伎はじめ様々な芸能で演じられる一連の作品のことを、曾我物と呼びます」とのこと。正月には必ず曽我ものが上演されたそうです(今もそうなのかな?)。

平家方の股野五郎は源氏方の河津三郎に相撲で敗れ、約束通り、遊女喜瀬川を河津に譲る。しかし股野は、かねてからの遺恨を晴らすため、河津の心を乱そうと酒に雄の鴛鴦(おしどり)を殺した生血を混ぜる。やがて泉水に、雄鳥の死を嘆き悲しむ雌鳥の精が喜瀬川の姿を借りて現れる。

「上の巻」は長唄で「相撲」がテーマ。「下の巻」は常磐津で「おしどり」がテーマ。おしどりの愛情と執着の深さを表現している。注目は「鳥」の羽ばたきとつま先使い。つま先使いにも注目。

お弁当を頂きます。「團菊祭弁当」、2,400円。

ふふふ、美味しいです!

イヤホンガイドは「左團次さん」について説明する。左團次さんは敵役、老け役もこなし、映画やテレビドラマにも出演、ファン感謝デイではド派手な出立で登場したそうです。お茶目な左團次さんを思い出します。

二、歌舞伎十八番の内 毛抜(けぬき)四世市川左團次一年祭追善狂言
粂寺弾正:市川男女蔵
腰元巻絹:中村時蔵
小野春風:中村鴈治郎
小原万兵衛:尾上松緑
八剣数馬:尾上松也
秦秀太郎:中村梅枝
錦の前:市川男寅
乳人若菜:市村萬次郎
秦民部:市川権十郎
八剣玄蕃:中村又五郎
小野春道:尾上菊五郎
後見:市川團十郎

初演は1742年正月、大阪だそうです。二代目・市川團十郎が上演、のち七代目・團十郎が歌舞伎十八番に選定したもの。小野小町の子孫、春道の屋敷。家宝である小町の短冊が盗み出されたうえ、姫君錦の前は原因不明の病にかかり床に伏せっている。病は姫の髪が逆立つということ。被せていた薄衣をとるとワワワワワ〜と逆立っちゃう。しかし弾正はその現象を見破るのだ。姫の髪から銀の飾りを取ったら、逆毛が直った。そして天井を突くと大きな磁石を持った忍びの者が落ちてくる。あの髪飾りが、この磁石に吸い寄せられて髪が逆立ったのだ。 

今日は錦の前に左團次さんのお孫さん・市川男寅さんが演じています。中村時蔵さんは来月、中村萬壽(まんじゅ)さんを襲名します。そして、中村梅枝さんは時蔵さんを襲名。今の名前で見るのはこれが最後。

三、極付幡随長兵衛(きわめつきばんずいちょうべえ)河竹黙阿弥・作
「公平法問諍」
幡随院長兵衛:市川團十郎
水野十郎左衛門:尾上菊之助
女房お時:中村児太郎
極楽十三:中村歌昇
雷重五郎:尾上右近
神田弥吉:大谷廣松
小仏小平:市川男寅
閻魔大助:中村鷹之資
笠森団六:中村莟玉
加茂次郎義綱:中村玉太郎
下女およし:中村梅花
御台柏の前:中村歌女之丞
坂田金左衛門:市川九團次
伊予守頼義:上村吉弥
坂田公平:片岡市蔵
渡辺綱九郎:市村家橘
出尻清兵衛:市川男女蔵
唐犬権兵衛:市川右團次
近藤登之助:中村錦之助

江戸時代初期、浅草花川戸に実在し、日本の俠客の元祖と言われた幡随院長兵衛を主人公にした物語のなかでも、本作は九世團十郎に当てて河竹黙阿弥が書いた「極付」とされる傑作だそうです。江戸村山座。「公平法問諍(きんぴらほうもんあらそい)」が演じられる舞台に酒に酔って乱入した男を、江戸随一の俠客、幡随院長兵衛が追い払います。その様子を桟敷で見ていたのは、旗本の水野十郎左衛門。水野率いる白柄組と長兵衛を親分とする町奴たちはもとより犬猿の仲で、水野が長兵衛を呼び止めると、一触即発の事態に。騒動の後、水野の屋敷に呼ばれた長兵衛は、遺恨を晴らそうという水野の罠と知りながらも誘いを受け入れます。引き留める家族や弟子に頼みを言い残すと、長兵衛は水野の屋敷へ一人で向かい、そして殺されてしまう。

なんとも悲しい気持ちになりながら、2階に移動します。ここに「四世 市川左團次」さんの写真が展示してある。

1979年2月に「左團次」さんを襲名している。私が東京に来る2ヶ月前。まだ見ていない。

数々の写真。

まだ亡くなったことが実感出来ない。もう1年も経つのにね。外に出ます。記念写真パチリ。

歌舞伎座よ、今月もありがとう〜。

来月も参ります!

歌舞伎座:四月大歌舞伎(夜の部)

「四月大歌舞伎」です。大好きな玉三郎丈が出演するので久しぶりに夜の部に参ります。ダンナと一緒に桟敷席だ。

その前にいつもの場所で写真をパチリ。

五月人形。

4月の公演は、まさにまさに、片岡仁左衛門さんと玉三郎さんだ。良いわぁ〜。

記念写真を撮りましょう。パチリ。

16時になりました。中に入ります。今日のお席は、桟敷席・東4の一番、二番。

一、於染久松色読販(おそめひさまつうきなのよみうり) 四世鶴屋南北・作、渥美清太郎・改訂
「土手のお六、鬼門の喜兵衛」
土手のお六:坂東玉三郎
山家屋清兵衛:中村錦之助
髪結亀吉:中村福之助
庵崎久作:市村橘太郎
油屋太郎七:坂東彦三郎
鬼門の喜兵衛:片岡仁左衛門

玉三郎丈のお六は、はすっぱな姐さんの役。これは本当に玉三郎丈の当たり役だ。前回見たのは、2021年2月の歌舞伎座。この時も仁左衛門丈と玉三郎丈だ。仁左衛門さんはこういう役が本当にハマっている。悪いヤツだよね。本当はあんなに良い人なのに役者だなぁ。最後の最後に、テヤンデェイと帰って行くところも本当に良い。場内は割れんばかりの拍手。

桟敷席弁当(4,000円)を頼んであります。

豪華。

お吸い物は温かくて美味しい〜。

「おーいお茶」も届いてます。

二、神田祭(かんだまつり)
鳶頭:片岡仁左衛門
芸者:坂東玉三郎

江戸っ子の憧れ「鳶の頭(かしら)と芸者」の美しい舞踊。これもまた2021年2月の歌舞伎座で見た。この時も仁左衛門丈と玉三郎丈。当たり役だよね。20分という短い舞踊だがピリっと引き締まる。あれから3年経っているのに、お二人はあの日のままだなぁ。若いよねぇ〜。

この幕間に、私はスパークリングワイン、ダンナは生ビールを買いまして、飲みながら観ましょう。

三、四季(しき) 九條武子・作
〈春 紙雛〉
女雛:尾上菊之助
男雛:片岡愛之助
五人囃子:中村萬太郎
同:中村種之助
同:尾上菊市郎
同:尾上菊史郎
同:上村吉太朗

〈夏 魂まつり〉
亭主:中村芝翫
若衆:中村橋之助
太鼓持:中村歌之助
仲居:中村梅花
舞妓:中村児太郎

〈秋 砧〉
若き妻:片岡孝太郎

〈冬 木枯〉
みみずく:尾上松緑
みみずく:坂東亀蔵
木の葉 男:大谷廣松
同:中村福之助
同:中村鷹之資
同:坂東亀三郎
同:尾上眞秀
木の葉 女:市川男寅
同:中村莟玉
同:中村玉太郎
同:尾上左近

舞踊。なんとも華やか。〈秋 砧〉だけは片岡孝太郎丈が一人で舞ったが他の演目は大勢の人が様々に踊って豪華。眞秀丈もしっかり舞ってます。お稽古を積みましたねぇ。〈春 紙雛〉は菊之助丈と愛之助丈の舞が良いです。〈夏 魂まつり〉は芝翫丈が二人の息子と共に舞います。いろいろ女性問題で大変のようですが、芸は芸ですね。最後の最後は本当に華やかで歌舞伎らしくて、とても良かった。

ダンナは「歌舞伎揚」をお土産に買いました。

私は写真を。今月はこの3枚。

今日は雨が降っているので、東銀座駅から電車に乗って帰ります。お疲れ様でした。良い舞台でした。

歌舞伎座:三月大歌舞伎(昼の部)

「三月大歌舞伎」です。「四世中村雀右衛門十三回忌」でもある。雀右衛門さん、観たなぁ。中村歌右衛門さん亡き後は、とにかく雀右衛門さんの舞台が多かった気がする。現在の雀右衛門さんは先代の次男さん。

東銀座駅に到着すると、すぐにお弁当を買う。

そして、いつもの場所で記念写真。

猫の写真がある。ヘェ〜。

地上に出て記念写真。

歌舞伎座よ、今月も参りました!

ホホホホホ。まだ時間が早いので、歌舞伎座の周りをグルリと歩く。

そして、中へ。「雀右衛門」さんだ。十三回忌か。早いなぁ。

本日のお席は東桟敷「東7の2番」。

一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
寺子屋
松王丸:尾上菊之助
武部源蔵:片岡愛之助
戸浪:坂東新悟
涎くり与太郎:中村鷹之資
小太郎:尾上丑之助
百姓吾作:市村橘太郎
春藤玄蕃:中村萬太郎
千代:中村梅枝
園生の前:中村東蔵

「寺子屋」です! 菊之助さんと息子の丑之助さんが出演されている。楽しいスタートから「小太郎」ちゃんが殺されてしまうという悲しいお話に。この時代には本当にあっただろうと思わせるストーリー。悲しい。贔屓の玉三郎は小太郎役でデビューしたのです。私が飼った犬の名前も小太郎でした。って、全然、関係ないけど。

お弁当を頂きます。「茶屋弁当」、1,600円。

二、傾城道成寺(けいせいどうじょうじ):四世中村雀右衛門十三回忌追善狂言
傾城清川実は清姫の霊:中村雀右衛門
白川の安珍実は平維盛:尾上松緑
難波経胤:大谷廣太郎
真名辺三郎:大谷廣松
童子花王:坂東亀三郎
童子駒王:尾上眞秀
僧妙碩:大谷友右衛門
導師尊秀:尾上菊五郎

「道成寺物」というそうです。四世雀右衛門の十三回忌追善狂言で、現在の雀右衛門さんは先代の次男さん。立派に受け継いでいる。

三、御浜御殿綱豊卿(おはまごてんつなとよきょう)
真山青果・作、真山美保・演出:元禄忠臣蔵
徳川綱豊卿:片岡仁左衛門
富森助右衛門:松本幸四郎
中臈お喜世:中村梅枝
中臈お古宇:澤村宗之助
おいぬ某:小川大晴
津久井九太夫:澤村由次郎
上臈浦尾:市村萬次郎
御祐筆江島:片岡孝太郎
新井勘解由:中村歌六

仁左衛門さん、本当はとてもとても優しいおじいちゃま。それがこんな役では凄腕のキリリとした人になるんだから、本当に凄い。松本幸四郎さんも年々、進化しているように感じている。

舞台がはねました。外に出ます。今月も楽しい・楽しい歌舞伎座でした。