読書:30キロ過ぎで一番速く走るマラソン

「30キロ過ぎで一番速く走るマラソン」 サブ4・サブ3を達成する練習法 小出義雄・著。

小出監督がこの世にいないなんて信じられない。本を読んでいると監督の声が聞こえてくる。あれだけの選手を育て、結果を出し、そしてまた次へと。素晴らしい実績です。

そのためには、帯にあるように「一番苦しくなる35kmあたりを一番速く走るようにする。そのためには「後半型」の練習をすればいいんです」。

そして、それを実践したのが高橋尚子のオリンピック優勝の走り。35kmあたりで、あのサングラスを投げてからの走りは皆の記憶に残る。監督の指示通りの走りだ。素晴らしい!

最後の章のタイトルは「自己ベストの最大の敵は「故障」と知る」。そして、「故障の予防には「氷」と「ゴルフボール」」という章があり、「予防」について詳しく書いてある。たしかに「故障」があっては自己ベストは狙えない。ランナーは「走る」だけではないのだ。「予防」だ。

小出監督が話すのを何度か聞いたことがある。「東京マラソンExpo」のブースや「佐倉朝日健康マラソン大会」の開会式だ。優しい声とお話の内容がとてもありがたい。

小出監督、ご冥福をお祈りします。

読書:伴走者

「伴走者」浅生鴨・著。

夏・マラソン編
冬・スキー編

先に「マラソン編」のテレビドラマを見た。

それから本を読んだ。筋はわかっているのに、二度、感動した。

この本というか、テレビドラマを紹介してくださったのは、マラソン完走クラブの代表の中田さん。テレビドラマには出演もされている。ボランティアで「走る人」も募集していると教えて頂いた。私は速度が足りずに応募しなかったが、きっと何人かは出ているだろうと思う。

目が見えないのに走る、そして、スキーを滑るというのは大変なことだ。そして、伴走者もまた大変な仕事だ。作者は「走る人」でもないし「滑る人」でもないようだ。取材してそれをまとめて、さらに話を作っていく。凄いなぁ。

最後の「謝辞」を読むと、この本の表紙の手は、中田さんと、走る人・和田さんだそうです。感慨深い作品になりました。

読書:中村勘三郎 最後の131日 哲明さんと生きて

「中村勘三郎 最後の131日 哲明さんと生きて」波野好江・著。

中村勘三郎さんが亡くなった時、驚きのあまり思考回路が止まった。ウッソー、、、。まだ57歳だった。若い。2012年12月5日。

いまもまだ「あ〜、この役は勘三郎さんがピッタリだなぁ〜」なんて思いながら見る演目はたくさんある。

奥様は1959年4月12日生まれ。私の1学年上になる。ほぼ同世代。早くに未亡人になってしまった。その方が書いた本。

読んで感じるのは「なんだか、あっという間に、アレヨアレヨと病状が悪くなり、そして亡くなってしまった」ような感じ。ご本人も、まさか、亡くなるとは思わなかったのではないかと思うのです。

ファンは「かえって来る!」と思っていたと思う。まさかまさかの事が起きるものだ。

それにしても、このご夫婦は本当に夫婦喧嘩したんですね。そのエネルギーは凄いなぁ〜。若い。

病気については、本によると、最初に「おかしい」と感じたのは2010年10月、11月。それは「うつ病」と診断され、強い薬も飲んでいたようです。しかしながら、奥様がコッソリ薬を差し替えてしまい、それでも何ら変化がなかったという結果も。うつ病って難しい病ですよね。本当のところはどうだったのだろう。

そうこうするうちに、奥様のお父様が亡くなる。2011年10月10日。中村芝翫さん。七代目。踊りのうまい役者さんでした。勘三郎さんはここでもキッチリとなさっている。頭が下がる。

そして病は進行している。最初は「がん研有明病院(2012年6月)」でがん摘出の手術をする。そして「東京女子医科大学病院(2012年8月)」、「日本医科大学附属病院(2012年9月)」。実に3つの病院で名医に診てもらっている。

最後の舞台は2012年7月18日、松本。木曾義仲の役でサプライズ出演。まさか、これが最後の舞台になろうとは、、、。

人に寿命があるのだろうと思う。勘三郎さんの寿命だったのではないか。それにしても若い、そして素晴らしい演者で本当に惜しい。惜しいしか言葉が見つからない。ご冥福をお祈りします。

読書:金栗四三 消えたオリンピック走者

「金栗四三 消えたオリンピック走者」佐山和夫・著。

NHK大河ドラマ「いだてん」を毎週、楽しく見ている。金栗四三さん、すみません、それまで存じ上げなかった。演じるのは中村勘九郎さんだ。これも楽しみの一つ。

そして、やっぱり本を読もう。すると、グイと引き込まれる。これ事実なんですよね。「小説より奇なり」だわ。

読書:ありがとう、お父さん

「ありがとう、お父さん」市川ぼたん・著。

現・市川海老蔵さんの妹さん、今年は「市川翠扇(すいせん)」を襲名した。

私が初めて歌舞伎座で歌舞伎を見たのは1979年5月の團菊祭。「鳴上」だった。当時の市川海老蔵さんが演じたもので感動したことを覚えている。「エビさま」と呼ばれていたお父様の團十郎さん。その演目を最初に見たことで、どっぷりと歌舞伎ファンになった。女子大の寮の先輩が歌舞伎ファンで連れて行って頂いた。感謝しています。

私は舞台で演じる姿しか知らないが、ご家族がみる團十郎さんがまた素晴らしい方でしたね。

しかしながら晩年は病気との戦いでした。あんなに早く亡くなるとは思わなかった。歌舞伎座に行くと写真が飾ってある。その前に中村勘三郎さん、後ろには坂東三津五郎さん。皆さん、若い。

この本の執筆は團十郎さんが亡くなられてから、まだ2年という時。2年になる少し前に書き上げている。私も父の三回忌までは辛かった思い出がある。そして三回忌がすんでから、少しずつ、少しずつ、落ち着いてきた。そのことを思い出す。

白血病という病。どれだけ大変だったのでしょう。ご本人も、ご家族も。

そんな中でも仕事をし、そして、家族を大切にし、素敵な内容です。読んで良かった。

読書:一切なりゆき 樹木希林のことば

「一切なりゆき 樹木希林のことば」樹木希林・著。

母からもらって読んだ本。樹木希林さん。読んでいるのに声が聞こえている感覚。不思議。

本のタイトルは樹木希林さんが生前、色紙に書いていたことば、「私の役者魂はね 一切なりゆき」から選んだそうです。

私が驚いたのはマネージャーがいなかったこと。「1988年に27年間一緒にやってきたマネージャーと別れたんです。(中略)これを機に事務所も閉鎖して、新しいマネージャーはつけないことにしたんです」とある。自分で出演交渉をしたりするのは大変だったろうと思うけれど、あれだけ多くの作品に出演しているのだから、それもまた楽しんでやっていたのかもしれない。

子育ても凄まじいというか、自分が子供だったらグレたかもしれないと思うほど。スイスに留学していた娘さんに「何も送らない」ことにしていたのに、ある時、一つの段ボールを贈る。その中身は、、、。明細は書いていないが、「いらなくなったもの」を送ったらしい。そんな母っている?

読んでいて、おかしいやら、元気が出るやら不思議な本。まだまだ樹木希林さんの演技を見ていたかったなぁ〜。ご冥福をお祈りします。

読書:市川中車 46歳の新参者

「市川中車 46歳の新参者」香川照之・著。

市川中車さん、今、一番、気になる役者さんです。もともとは本名の香川照之として役者をしている。結婚をして子供が出来た。男の子も出来た。何を思ったか香川さん、その子を歌舞伎役者にしたいと考えたのだ。そういう血筋なのだ。しかしながら、自分は歌舞伎役者ではない。子供にだけ、その思いを押し付けて良いのか? そして、自分も歌舞伎役者になった。市川中車さん。

その大変な思いをこの本には書いてある。これほどまでに忙しい生活の中で、本まで出すとは凄いなぁと思っている。すると最後の最後に「自分が書いたのではなく、話したことを書いてもらった」といった内容が添えられてある。なるほど、その手があったか。

中車さんを初めて見たのは2015年7月夜の部。歌舞伎座。「牡丹燈籠」の伴蔵役。玉三郎の相手役。驚いた、驚いた。上手い! 歌舞伎一筋でやってこられた方のように見える。その影には凄まじい努力があるでしょう。

帯にある言葉は実に印象的。

やらずに逃げる怖さは、やることの怖さをわずかに上回った。ならば、もうやるだけだ。進むも苦労、逃げるも苦労。

これから、どのような役者人生を歩まれるのだろう。また舞台を観に参ります!

読書:コーヒーが冷めないうちに

あんなに読書が好きだったのに、このごろは読み始めるまでに時間がかかる。そんな時にFacebookに友が書き込みをしていた本。気になる。買って読んだのがこちら。

「コーヒーが冷めないうちに」川口俊和・著。

1冊の本に4つの話が盛り込まれている。その大元は一つ。プロローグに買いてあるのは、こちら。

とある街の、とある喫茶店の
とある座席には不思議な都市伝説があった
その席に座ると、その席に座ってる間だけ
望んだとおりの時間に移動ができるという

ただし、そこにはめんどくさい……
非常にめんどくさいルールがあった

この時点でグっと引き込まれる。そして4つの話とは、

第1話「恋人」結婚を考えていた彼氏と別れた女の話
第2話「夫婦」記憶が消えていく男と看護師の話
第3話「姉妹」家出した姉とよく食べる妹の話
第4話「親子」この喫茶店で働く妊婦の話

そして、

あの日に戻れたら、あなたは誰に会いに行きますか?

そして本編が始まる。真剣な話の中にも、クスっと笑うような場面があり、ユーモラスでそれでいて心を掴まれる。おもしろい本です。

それにしても、、、ダ。前に読んだのが今年の1月で、それから9ヶ月もかかっているのはいかがなものか。読書量を増やしたいと思うこの頃であります。

読書:陸王

ずっと「趣味は読書」でした。小学校1年生から。それが、、、病気をしてからは読むことが出来なくなっていた。最初は1行も読めない。少しずつ初めて「3行読めました」とか、「1ページ読めました」という感じで進みまして、そして、とうとう1冊を読みきったのは黒柳徹子さんのエッセイ本。そして、今回が2冊目。嬉しい。

この本は会社の人から借りました。「オヤマさん、これ読みます?」と貸してくれた。ありがとう!

「陸王」池井戸潤・著。

百年の歴史を有する老舗足袋業者「こはぜ屋」の社長・宮沢が新規ビジネスを思いつく。ランニングシューズの開発だ。社内にプロジェクトチームを立ち上げるも問題が次から次へ。

資金もなく、経験もなく、素材選びにも苦慮する。ふとしたことから新しい出会いがあったり、困難を乗り越える方法が出来たり。面白い。

ランニングする者にとってシューズ選びは重大です。エリートランナーともなれば、それは本当に大事な大事な仕事。

そして、シューズを作る人たちも、一つ一つを繊細に組み合わせていく。そんな中、社長の息子が親に反発するように他の会社を受験する。受けては失敗を繰り返し、そして、、、。

この本は結構、分厚いのに、とても楽しみながら読みました。Sさん、貸してくれてありがとう!

読書:緒方貞子 戦争が終わらないこの世界で

「緒方貞子 戦争が終わらないこの世界で」小山靖史・著。

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緒方貞子さん、いったい、どんな女性なのでしょう?
テレビで拝見する姿は、何というか、良家の子女って感じですよね。
それなのに、国連難民高等弁務官とか、難しい問題に立ち向かう姿にギャップがあるというか。

この本を読んで、その謎が解けた気がします。
この本は、NHKの小山靖史さんがインタビューしたものをまとめたもの。

緒方貞子さん、政治家の家に生まれたのですね。
曾祖父に犬養毅さん。
祖父に外交官である芳澤謙吉さん。

お父さんの転勤で、サンフランシスコや中国で幼少期を過ごし、戦争に突入していく。

テレビで見た流暢な英語も、幼少期からの外国暮らし、グローバルな感覚と政治家感覚を兼ね備え、それだけではない勤勉な少女が大人になり、大学で勉学に励み、そして結婚して子育てしながらも様々な事にチャレンジする姿は、私達、女性にとっては手本となる方だと思いました。

私は、良妻賢母になるようにと育てられました。
結果、まったく逆の道を歩いていますが、もし、私が、「女性も仕事をするべき」と育てられていたら、いったいどうなっていただろう?

緒方貞子さんは、お父様の考えが当時としてはビックリするようなものだったろうと想像します。

あの第二次世界大戦を経験した貞子さんだから言えることがたくさんある。
仕事をしている女性、子育てに追われてる女性、あらゆる女性に読んで欲しい本。