網走でサロマ・ウルトラマラソンの打ち上げ

サロマ・ウルトラマラソンを走り終えると、本日の宿、網走の「北海ホテル」に向った。

ホテルチェックインカウンターには私達以外にもサロマ組がいらしていて、ともに完走を喜び合う。

食事は(到着が何時になるかわからないため)予約をしなかったので、外で頂くことに。

皆で「痛たたたッ」と言いながらゆっくり歩いて、網走のお店探しに。少し動かした方が翌日の疲労が軽減する。皆で「イタタ、イタタ」と言いながら、ソロリソロリと歩く。

宿から近いところ、グリーンホテルの裏辺りのお店に入る。
今回は9名参加(100km7人、50km2人)で、8名が完走した。
初参加のW君は80キロの関門で引っかかってしまったが、まだフルを一度走っただけで、80キロまで行くなんて立派なもの。大学4年生の良き思い出になったのではないでしょうか。

サブテンを達成したNさんや、65歳にして自己ベストを更新したI会長など、健闘をたたえる人がたくさんいる。にもかかわらず、「オヤマさんの大金星!」ってことになった。

え! え! エーーーー!
「サブテンの方が大金星じゃないすか」と私。
「いや、もちろん、それもあるけどさ、今日はオヤマさんだよ」って。

つまり、こうです。
「オヤマさん、大丈夫。完走するって」と言われ続けてきたが、
「今だから言えるけどさ、四分六でダメだと思ってたよ。アーッハッハ」って。

当の本人が四分六でダメかも、と思っていたので、実のところ、皆さんと私の予想は一致していたわけでありまして(笑)

それを覆しての完走だから大金星ってわけだ。

理由もちゃんとあって、私はまだフルマラソンをサブフォー(4時間以内)で完走出来ない。自己ベストが4時間22分。これまでサブフォーを何度も達成している女性もウルトラは失敗をしている。まして4時間半近くかかる人が、ウルトラマラソンにチャレンジすることは少ないらしい。せめて4時間10分を切っている(キロ6分で行ける)人がチャレンジしているようだ。

しかも、ラン年数もたいして多くない。
年齢は48歳(50歳を目前にしている)。

そんな人間が100kmにチャレンジすること自体が少なく、それだけでも「よくやるねー」なのに、さらに完走してしまった。しかも35分ほどの余裕を残して。

だから大金星だ!って。

そうでしたか。
私はウッカリ、皆さんに乗せられて走っちゃいましたよー(笑)

こちらにはノンアルコールビールもあったので、頼んでみることに。
でも、これ、ちょっと味的にはどうでしょうか。
もっと改良が進むと嬉しいです。
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ワイワイと網走の夜は盛り上がるのであります!

第24回 サロマ湖100kmウルトラマラソン

いよいよ「サロマ湖100kmウルトラマラソン」当日を迎えた。

思えば昨年、60kmの関門に間にあわず、無念のリタイアをしてからの1年、サロマを完走することが私の目標だ。

なにか一つのターゲットに向って1年間努力したことが、これまでにあっただろうか?

もっと短期的なものはあった。
仲間と目標を達成したことはあった。
会社で社員らと努力したこともあった。

けれどたった一人で、しかも仕事ではなくプライベートで、これだけの目標に向ったことはなかった気がする。イヤ、あったかもしれない。けれど、それらは達成しなかった。

3時起床。
天気は、予想に反して曇。
今にも雨が降りそうな肌寒い天気。
ランにはちょうど良い。

前日、コンビニで買っておいた弁当と豚汁を食べる。なんだか喉が通らないが無理やり食べる。

数日前から喉が痛むので、塩水でうがい。
トイレに行く。準備OK。

レンタカーで会場まで30分もかからない。
4時前に宿を出発。

今回も北海道在住のK本さんが応援に来てくださり、レンタカーをスタートからゴールまで移動してくださる。ありがたいです。皆さんのおかげで私はこの大会に来ることが出来ます。

会場に到着すると、軽く走ってみる。
身体は軽い。うん、いい感じ。

もう一度、トイレに行く。
昨年はスタートして5kmも行かぬうちにトイレに入ってロスタイムした。女性はトイレに時間がかかる。トイレ回数は最小限にしたい。スタート前ギリギリまで並んでトイレに入る。

スタート5分前を切ってからやっとスタート地点に並ぶ。
いよいよだ。

10秒前。
本日、ここに立てたことに感謝する。

5秒前。
ここにいる皆さんとともに完走したい。
スタート前の、このなんとも言えぬワクワクっとした感じが好きだ。

3、2、1、ワー!!!(拍手)
これから長い旅が始まる。
はたして13時間後に、ゴールしているだろうか?

スタート地点を通過したのは号砲から1分2秒後。

ゆっくり進む。
最初から5kmまでは1kmごとに表示があると聞いた。
2km地点でそれを見つけると、15分経過している。
スタートまで1分かかったことを考慮するとキロ7分。予定通り。

スタート直後から、サロマは肥料臭いところを通る。大自然でもあり、臭くもあり。そこは口で息をして鼻を通さないようにしながら進む。

朝早いというのに、家の前で声援を送ってくださる。ありがたい。

濃い霧で少し前しか見えない。
幻想的な雰囲気の中、約3000人が静かに進む。

5kmを通過。
キロ6分半に近づいている。いい感じ。
すると前を走っている仲間のSさんを追い抜いてしまった。
「オヤマさん、調子いいですね」と声を掛けられる。
Sさんを抜くなんてあり得ないわ。
「飛ばしすぎないように注意してくださいね」と注意頂く。

昨年と違って身体が軽い。
このままどこまでも行けそうな気がする。でも調子に乗ってはいけない。

このごろずっとキロ6分半から7分の練習をしていたので、このペースが今の私には一番楽に走れる。

■10キロ通過(通過時刻:6:02:10)
キロ6分ちょい。オオオ、好調過ぎるわ。

17キロに最初の折り返しがあり、先頭集団がやってくる。
速い。すごいパワー。

そろそろかな?と仲間の姿を探す。
最初に見えたのはI会長、ほどなくしてサブテンを狙うNさん、サロマンブルーの仙人を見つける。

15キロ地点。
時計のラップを刻もうとしたら、え? え? 押せない。
正確に言うとボタンを押せないのではなく、押した時に意図した反応をしない。

エー?(意味がわからない)。
けれど、6分半以内では走ってるようだし、解析する暇もないから、そのまま進む。

私が折り返してからは、先ほど抜いてしまったSさん、しばらくするとT田さんを見つけた!
T田さんから「速いねー」と声を掛けられる。

ん? やっぱり速いのかな。
この速度が楽なんだけど。

Nさんの息子さんで初参加W君だけは見つけられなかった。
初フルを4時間9分で走って今回が初のウルトラ。ワッカで会えるといいね。

■20キロ地点(通過時刻:7:01:43)
ほぼキロ6分。少し速い。
エイドでバナナを食べる。ぐずぐずしない。先を急ぐ。

時計はどうやら「ラップ」でなく「スプリット」の設定になってしまったらしい。今朝、あわててアラームを止めるときに、どこか別のボタンを触ってしまったのだろう。普段スプリット機能を使わないから、、、よくわからない。

ま、100kmもあるんですから、5キロごとの表示なんて、適当にわかればいいわ、と気持ちを切り替えて進む。それに1時間ごとの記録はネットでも確認出来る。むしろ、現在の時刻を見ている方が関門対策が出来るというもの。

■30キロ地点(通過時刻:8:04:00)。
フルマラソンでは、ここからが最も辛いところ。
ゆっくりしたペースで走っているから、今日はまだ大丈夫。

時々、トイレをチラっと見ては混み具合を確認する。
女性のトイレには5分から10分並ぶこともある。ロスタイムしては関門に間にあわない。立ち止まることによる身体へのダメージも大きい。

40キロの少し手前のトイレに寄る。
オー、ラッキーなことに、ちょうど数人の女性が出たばかり。一つ空いていた。待ち時間なし。なんてラッキーなんでしょ。

■40キロ通過(通過時刻:9:09:57)
上出来過ぎます。これで大丈夫かしらん?

42.195キロが最初の関門。
時計を見ると、おおよそ4:23かかっている。
スタートに1分かかったので、エー、それって私の自己ベストタイ記録なんですけど・・・。大丈夫かね?

でも、身体は軽くて調子が良い。
エイ、このまま行っちゃえ。

しかし、、、この後に上り坂が待っている。
サロマは、ウルトラマラソンにしては高低差がなく、なだらかなコースではあるが、唯一、40キロ過ぎから55キロあたりまでに上り坂がある。

上り坂では「歩き」に切り替えた人も結構いる。
私は、まだ歩かない。

ゆっくりでいいから走る、走る、走る。
気温は低い。一瞬、パラっと雨が降った。それもまた気持ちが良い。応援やボランティアの方は寒いでしょうね。

坂はさらに上り坂になる。
ここが、このコースの難所。

横を普通に車が通るから、1列になって走る。
時々、前に歩く人を抜いて走る。

マラソン完走クラブで高尾山や山中湖合宿に行ったことを思い出す。それに比べれば、なだらかな坂じゃないか。

上りがあれば下りがある。
実は下りの方が、足へのダメージは大きい。
下りで足が疲労しないように、歩幅を狭めてチョコチョコ走る。

■50キロ通過(通過時刻:10:14:55)
何度か、上ったり下ったりして、やっと54キロ過ぎの「ホテルルートイングランティアサロマ湖」のレストステーションが霧の中に見えた時にはホッとした。半分を過ぎた。

でも、ここでゆっくりもしてはいられない。
私の前を行くサロマンブルーの女性は、そこに立ち寄ることもしないで先へ行ってしまった。私もグズグズ出来ない。

小さなおにぎりを一つ口に入れる。
ん・なんだか食べられない。これは困った。
預けていた赤い袋を受け取り、荷物に入れておいた胃薬を飲んだ。
スポーツドリンク、暖かい麦茶、水を飲み、うめぼし、レモンを食べる。もう一つ、おにぎりを口に入れる。

雨が降りそうだし、立ち止まったら寒い。
雨具用に入れておいてミズノのウィンドブレーカーを着る。
あぐらをかくように座って、股関節を少し伸ばしてストレッチする。

スポーツゼリーをもらって手に持つ。
これだけでも15分近くかかった。

イザ後半。
ここはまだ上り坂。
昨年同様に少し歩く。まだ大丈夫。
ゆっくり走り出す。

昨年、ここを走った気持ちを思い出した。
「もう間に合わないかも」という絶望的な気持ち。
それにひきかえ、今年はまだ1時間以上も余裕がある。

上り坂が終わると、ゆるい下り坂になる。
そして平地に変わる。
その先に60キロの関門のテントが見える。
昨年は、あそこに収容バスが止まっていた。
今年は、バスがいない。

■60キロを通過(通過時刻:11:35:52)
ここから未知の世界に突入。

ウルトラは、60キロからが辛いと聞く。
その通りだった。
距離表示は55キロ過ぎからは1キロごとに表示される。

あと1キロ行こう、もう1キロ進もうと、そういう気持ちで走る。
それ以上先のことを考える余裕はない。

68キロ地点の有名な私設エイド「斉藤商店」さんで暖かいおしぼりを受け取る。
暖かい。嬉しい。塩だらけの顔をふく、サッパリする。ありがとうございます。
ブルーベリーを頂いて、走り出す。

■70キロ通過(通過時刻:12:54:46)
70キロを少し過ぎたあたりに、「おしるこまで、約2キロ」と書いたものが見えた。

「おしるこがうまいよ」と聞いていたし、腹がすいており、「おしるこ、おしるこ」と唱えながら走る。
このサービスは「サロマ湖鶴雅リゾート」の私設エイド。ありがたい。

とうとうそこにたどりついた。「おしるこ」と「そうめん」を頂き、座り込んで食べる。あぐらをかいて股関節を伸ばしてみる。その近くに「リタイアする方はこちらへ」という文字を見る。

「リタイアしたーい」と、悪魔がささやく。
「グズグズしないでGoー!」と、理性が後押しする。

走り出す。一度、座り込むと、その後が辛いのね。だから、ほとんどの人は座らないのか。

75キロを通過。
80キロまで、あと5キロ。

一番辛いところ、と聞いていた。

■そして、あああ、夢にみた80キロ通過(通過時刻:14:24:51)

80キロを過ぎると制限時間がゆるくなる。
ここまで来たんだー。

ワッカの原生花園に入るところは、上り坂になる。
ほとんどの人が歩いて坂道を上る。何人かは走っている。
歩いた。ここまで来ればなんとかなりそう。

しかし、一度歩くと、歩き癖が出てしまっていけない。
ゆっくり走り出す。
すると、折り返してきたサブテン狙いのNさんが見えた。

「Nさーん!」と叫ぶ。
「オ、オーー、ここまで来れば大丈夫。絶対、最後まで諦めないで!」と声援を頂く。

もう少し行くと、サロマンブルーの仙人が見えた。
「せんにーーーん!」
「オー、がんばれー」と声援を頂く。
仲間に会うと嬉しいですね。

しかし、その80キロから90キロは、おそろしく長い、長い、長い距離だった。
トボトボと歩き出す。

すると後ろからT田さんがやってきて、
「オヤマさん! ここまで来たら、絶対行ける」と声援を頂いた。
「ハイ!」と私。
「でも時々、走らないと間に合わなくなるよ」
「ウィーッス」

その後も走ったり歩いたり。
86キロ辺り、トイレから出たところで、50kmに出場している女性のNさんが
「オヤマさん! ヤッタ、ここまで来たんだ!」と声を掛けてくださった。

「イエ、あの、まだこっち(90キロ方向を指差して)、これから行くんです」
「立派よ、立派! 行ける、行ける!」と声援を頂いた。
「ハイ」

皆さんの応援が暖かい。
しかし、私の足は前進することを拒んでいる。
走ったり、歩いたり。

原生花園には花が咲き、先ほどまでの霧が晴れて、空は青空。美しい。ここまで来たんだなぁ。

88キロから89キロの少し手前の折り返し地点が、おそろしく長かった。
やっと最後の折り返し。
そして90キロの関門をピーっと越えた。

■90キロ通過(通過時刻:15:52:05)
関門は16時半だから30分以上の余裕がある。

これから最後の10キロ。
ここでポキっと音を立てて、心が折れた。
ついに歩き出してしまった。
これっぽっちも走れない。

こんな時のために持参したiPodシャッフルを取り出し、歩きながら装着。
耳にイヤホンを付けると、GReeeeNのキセキが流れた。
ウルウル。キセキを起こせ!
iPodを出す時に、学T専科さんがくださったお守りにさわった。
最後まで見守ってくだされ。

そしてコブクロの「桜」が流れる。
「誰かの声でまた起き上がれるように」の歌詞を聞き、また走り出す自分がいる。

何のために走っているのか、
何に向かって走っているのか、
何もわからない。
ただ、ゴールにたどり着くだけだ。

音楽に助けられ、また走り、歩き、そしてまた走る。
iPodからフュージョン、ロック、Jポップの、軽快な音が流れる。
バンドで練習した曲、みんなの顔を思い出す。

1キロが果てしなく長い。

95キロを通過。
その後からの距離表示は、「あと4キロ」と変わる。
そして、「あと3キロ」
元気が出てきた。あと少しじゃないか。

そして「あと2キロ」
どこからか力が出てきて、ゆっくり走り始めた。
まわりの人も、不思議な力が出ているようで、さっきまで共に歩いていた人たちが走り出した。

「あと1キロ」
ここまで来た。

そしてゴール付近には、たくさんの応援の人が見える。
昨年、リタイアした私はあの辺で仲間を迎えたんだなぁ。

そして、最後の角をまがって、ゴールゲイトが見えた。
そして、ゴーーーーーーーーール!!!!!

ブログに「思わず涙した」記載を多く見ていたので、私も涙が出るのかな?と思ったが、私の場合には、あんまり嬉しくて、満面の笑み。そして、自分に拍手!
ヤッタ、ヤッタ、ヤッター!

ゴールタイム(通過時刻:17:24:27)
制限時間に35分の余裕があった。嬉しい、嬉しい、嬉しい。

ボランティアさんから、メダルを首にかけて頂いた。
ありがとうございますと礼を述べて、仲間を探す。
「ゴールしましたー!」

参加賞のTシャツとタオル。
そして、完走した人のメダル。
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ラップタイムはランナーズアップデートサービスを参考にした。
10km:1:02:10(スタート位置まで約1分)
20km:59:33
30km:1:02:17
40km:1:05:57(トイレ寄った)
50km:1:04:58
60km:1:20:57(レストステーション休憩・約15分)
70km:1:18:57(トイレ寄った)
80km:1:30:05(おしるこ休憩・約10分)
90km:1:27:14(トイレ寄った)
100km:1:32:22
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合計:12:24:27

ゴール時刻:17:24:27