「案本」山本高史・著。
サブタイトルは、「ユニーク」な「アイディア」の「提案」のための「脳内経験」
帯には、ものすごい本
著者は私と同い年。
同じ時代に生きて来た。
たまたま会社(電通)でコピーライターの職についた。
仕事が出来なかった。
大人たちが「経験」を持ち出すのはヒキョーだ。たしかにそう思っていた。(中略)
経験が年月かけてようやく重なるものならば、駆け出しのケツの青いひよっこには、大人たちとの、人生においても仕事においても立ちふさがる、10年、20年、30年のキャリアの差は、詰められるわけがない。(中略)
しかし経験は、だれにでも黙っていても与えられるものではなかった。
経験から得ることって何?
そこからどうやってアイディアが生まれるの?
経験することは「無知の知」に始まり、「主観は偏見に過ぎない」ことまで思い知らせてくれる。
しつこいようだが、本書でいう「経験」とは、どこかに行った、なにを食べた、なにがあった、なにを見たということだけではなく、そのことをきっかけに意識化されたもの、たとえばこういうときはこううれしいんだ、こんなに痛いんだ、うれしいのにどこか寂しいこともあるんだ、怒った、発見した、驚いたという脳の動きも含めて脳に記憶させることだ。そんな経験を蓄積してデータベース化する。
「経験」については様々な記載をしている。
そして「脳内アングル」と「脳内ツリー」の関係について、記載される。
アングルには「角度」という意味が一般的だが、「観点」という意味もある。ものの見方だ。「視点」と考えてもよい。ある考えるべき課題がある。その課題に関して、アングルをできるだけたくさん用意する。なぜなら、普段その課題について深く考えたことのない自分は、おそらくその課題にひとつの視点=アングルしか持ってない。主観ということだ。主観は偏見に過ぎないので、、、(つづく…)
「脳内ツリー」は、「脳内アングル」などの、考えた経験をきっかけとして、木の枝のように伸びていく想像力である。
トップクリエイターのものの見方、考え方は、必ずしもコピーライターではない私のようなものにも大変、参考になる。