第23回 サロマ湖100kmウルトラマラソン

4時に起きると、、、雨。。。
そんなー。天気予報では曇り→晴れなのに、、、。

ともかく急いで仕度。
宿では「時間が早すぎて朝食が出せない」ということなので、昨夜のうちに買っておいた「おにぎり」と「みそ汁」を頂く。サプリメントや胃薬も飲む。

昨晩、少し、胃の調子が悪くて「ガスター10」を飲んでおいた。今日はどうということもないが、飲んでおくことにした。

荷物は55kmのエイドステーションに運んでもらうための赤い袋と、ゴール地点に運んでもらうための青い袋に分けて入れる。
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スペシャルドリンクも受け付けてくれるが、エイドが充実しているそうなので、自分専用は用意していない。

ウェアは予定通りに、長袖に半袖を重ね着してタイツをはく。手袋も持つ。アームウェアも最初から付けることにした。それから(お手製のゴミ袋ではなく)100円ショップで買ったレインコートを羽織ることにした。ちょっと大げさな気もするが、寒いとお腹の調子をくずすので、とにかく着ることにした。
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ゼッケン番号は「4193」
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サ、準備OK。スタート地点に向かう。
なんと申しますか、出場者の方々の体つきが、皆さんすごいです。よく走り込んだ身体です。

10秒前からカウントダウン。

10・9・8…
今日、ここに立てたことに感謝する。

7・6・5…
最後まで諦めないで

4・3・2…
がんばるゾ!

1・ワーーーー!と歓声を上げながら、ゆっくりと歩き出す。そして次第にゆっくりとした走りへ。

ん・なんだか身体が重い。
雨は、小雨から霧雨程度に変わった。ランナーにとっては走りやすい天気。

ゆっくり行こうと思っているが、ついつい、ちょっと早めに入っている。
すると、すぐ前で「これ早すぎるよ、もうちょっとゆっくり」と言ってるおじさんがいたので、付いていくことに。まわりからドンドン追い越されるが、気にしないで、後ろを付いていく。
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まだ5kmにも到達していないというのに、トイレに行きたくなってしまった。最初のトイレで入ることに。ここは仮設トイレではなくて公共のものを利用です。女子トイレはいつも並びます。すると「紙がない」という自体が発生。私はNさんから「ティッシュだけは持っていった方がいい。何が起きるかわからないから」というご指導のもと、事なきを得て、再び道路へ。

まだ走り始めたばかりなのに、トイレによるロスタイム。

先ほどのペースメーカーのおじさんはいないし、時計を見ると遅い。焦る。
少しだけ早めに走り出す。

Nさん、Hさんの応援を受けて、まだ元気です!
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最初は、会場付近を走って、その後サロマ湖に向かって走る。折り返し地点では、1人を除く全員に出会えて心強いです。私は一番後方から攻めております。

それにしても、なんだか今日は身体が重い。肩がだるい。どうしたのだろう?

エイドは適切に用意され、パンフレットには書いてなかったが、オレンジジュースやりんごジュースまであって助かる。飲む・食べる。

5kmおきに時計を確認すると、予定よりも遅い。まずい。もう少し急がないと。でも、急ぎすぎては体力がなくなる。難しい。

雨はほとんど上がり、暖かくなってきた。20kmのエイドでレインコートを脱いで、捨ててもらった。
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エイドでは、あんぱんやオレンジ、すいかなども出る。エイドに辿り着くのが楽しみに。今日はiPodは付けてない。これからは大会ではiPod持つのはやめようと思っている。

皆さんの足音を聴きながら、まわりの風景を楽しみながら、ゆっくり進む。

30km、、、40km、、、そしてやっと42.195kmに到着。
ここからは、私の未知の領域に入ります。
すでにヘロヘロで、この倍以上も走れるのかしら?と気が遠くなります。

50kmの関門を通過。
かなり遅いです。全然、計画通りにいけてない。これ、ひょっとしたら間に合わない???

けれど、足にきていて思うようには早く走れない。
それに50kmを過ぎたら、少しアップダウンがあり、余計に足にダメージが。

55kmのエイドステーションにたどり着きました。
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ここでおにぎりを食べたりするそうですが、、、もう時間がない!
応援のNさん、Hさんが、私の赤い袋を持って待っていてくださいました。寒い中ありがとうございます。お礼の言葉もそこそこに、、、
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「ア、、、アイシングー」
55kmのエイドステーションにはアイシングがあると聞いていたので、一直線にそちらに。そして両足を冷やして、靴下を取り替えました。

気分が少しすっきり。そうして、お尻の下辺りをポンポンと叩いて頂いて、スタート。何も食べない。時間がない。飴だけを数個頂いて、それを口に入れて、歩き出します。
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ちょこっと足を止めただけなのに、走れない・・・。
少し歩いて、気合いを入れて、イザっと走り始めた時には、もう制限時間に間に合わないかも。。。

それでも、絶対にあきらめない。
最後まで走る!

どうやら、私はビリを走っています。
私の後ろの人達は、制限時間に間に合わないだろうから、55kmでリタイアしてしまったらしい。通り過ぎる車が、私のゼッケンを呼び、がんばれーと言ってくださいました。

そこで私がビリであることに気づき、なんとしても、前に追いつこうと、力を全部出して、何人も抜きます。といっても、皆さん、諦めて歩いていたり、ゆっくり走っているので、抜けたということですが。

必死になって腕をふり、足をあげて、「あきらめない、あきらめない」を呪文のようにとなえながら、走りました。

60kmの地点が見えます。時計を見る余裕もないから、そのまま走ります。
そのそばに、収容バスらしきバスが止まっているのも見えます。

「あきらめない、あきらめない」

最後の最後はラストスパートのダッシュをして60kmに到達したが、時間は4分22秒遅かった。
「残念ですが、終了です」と告げられる。

私はゼーゼーヒーヒーしながら、「ありがとうございました」と頭を下げた。終わった。。。終わってしまった。完走出来なかった。頭の中は真っ白です。

飲み物を少し飲んで、収容バスに乗ろうとしたら、
「NHKの取材です」というカメラマンとマイクを持った人が目の前に表れた。

期せずして、リタイアの取材をされることに。
「どちらからいらっしゃいましたか?」→東京です(ホントは気仙沼人ですが、とは言えず)
「ウルトラは何回目ですか?」→初めてです。
「フルは何回走ったことがありますか?」→3回です。
「走り終えてどうでしたか?」→あと4分だったので、完走出来なくて悔しいです。
「来年もまた走りたいですか?」→ハイ!来年は完走したいです。

ってな、まぁ、ありきたりな事を話してバスに乗ったのでした。
どこかで映ったかしら? あの塩だらけの顔で(苦笑)

バスの中は、補助椅子も全部使って、すべての座席がリタイア者でいっぱいだった。あちこちから「残念!」の声が。

リタイアには、様々な理由がある。
私のように、まだ身体が出来てない者。
走ってる途中で、身体に異変が生じた者。
(今日は涼しかった、寒かったので、記録を狙い)オーバーペースで入って力尽きた者。

どんな理由があったとしても、リタイアに変わりはない。
悔しい気持ちは同じ。

バスは、走る人の隣を行く。
こんなに多くの方が、がんばっている。

バスはゴール地点まで連れていってくれて、そこでチップを渡して、参加のタオルなどを頂いておしまい。まだ13時ちょい過ぎ。あーあ、これからどうしよう(涙目)

更衣室で、女性2人に話を聞いた。
1人は今年、還暦を迎える女性。すでに4回完走をしていて、還暦の記念に今年走ったらウルトラは引退しようと思っていたとのこと。「来年も走らないといけなくなった」と言っている。

もう一人は、1回目に完走出来たのに、昨年、今年とリタイア。とても落ち込んでいる。悔しさも私の何倍もある。

それらの話を聞くと、益々ウルトラの難しさを感じます。

仲間の完走をボケーっと待つ。
何時間も待つ。
まさか、私が待つ側にまわるとは思ってなかったので(私のゴールは最後だと思っていたから)、薄着しか用意してない。寒い。

ボケーっと待つ。
何時間か経過した。

すると呼び出しで私の名前が連呼されている。ゴール付近でお仲間がお待ちです。痛む足をひきずりながらゴール付近に行くと、応援の皆さんがいた。

「私、60kmでリタイアでしたー」

その後は、仲間が続々と帰ってきた。
来年は、きっときっと完走したい!

番外編:ランシャツを着て、ゼッケン番号を付けた犬がいたそうです。
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