坂東玉三郎の「日本橋」が日生劇場で上演されています。
そういえば、最後に歌舞伎を見たのは2010年3月です。
結婚してお芝居どころではなかったのですが、その後の震災で、本当にお芝居どころではなくなりました。
「日本橋」には気仙沼出身の斎藤菜月さんが新人として大抜擢されて出演されています。
見に行かなくては!(^ー^)。
斎藤菜月さんは、鼓動のメンバーとして活躍後、仙台のホテルに就職していたようです。
その時に、あの大震災。
鼓動とコラボレーションしたことのある玉三郎が支援を直接渡したいと斎藤菜月に会ったのが仙台駅だったとか。
その後で、玉三郎からの直接の電話で「出演しませんか?」というもの。
そんなシンデレラストーリーってあるんですね。
玉三郎のお席は、良い方から売れていきます。
SS席は18,000円でごじゃる。
どうせ見るならSS席だわ(プレミアム特典付きだし)。エイ!
ネットで席を見ると「残りわずか」とあって、ポチすると、あーら、SS席はたった1席だけ空いていました。
E26席(前から5列目)。
会場に付くと、プレミアムのおみやげを手渡してくださるテーブルがあって、私がたぶん満面の笑みだったのでしょう。渡してくださる方も笑顔。
席につくや、まもなく幕が上がりました。
最初は、髙橋恵子演じる「清葉」が、松田悟志演じる「葛木」さんにお酌をする場面。
美しい。
絵のようです。
清葉の、ゆっくりとした所作は玉三郎の所作そのもののように思いました。
そうして、玉三郎が登場して、江戸っ子らしい、粋な芸者の姐さんを演じます。
玉三郎のこういう役は本当にいいんです。
葛木さんに、甘えたり、すねたり、見事。
そうして斎藤さん登場。
玉三郎演じる「お孝」の妹分、「お千世」の役。
かわいらしい声で「姐さん、姐さん」と言って登場します。
まったくの新人さん。
よくまぁ、ここまで頑張りましたね。
声を出すことも、和服での所作も、すべてが初めてでしたろうに。
厳しい目で見れば、和服で小走りするところ、これって本当に難しいのです。
私は日本舞踊を習っていましたが、
娘役の走り方、お姫様がサササっと登場する時とは全然違うのですが、どちらにしても難しい。
それをさりげなくするのがプロで、そこのところはまだこれからですね。
そんなこんながあっても今後が期待出来ます。
華があるというのでしょうか。
そういうのは持って生まれたもので、玉三郎、髙橋恵子という中にあって、実に堂々と演じていました。
舞台は18時から始まって、間に2回の休憩があり、21時までです。
見応え十分。
幕間には、コーヒーとサンドイッチを食べました。
お弁当も売ってます。
歌舞伎などのお芝居は、出来ればお友達と一緒に行って、今見た舞台のことを話しながらワイワイ食事するのがいいのです。
さてラストシーンは、おもわず目頭が熱くなりました。
玉三郎も泣いていたのではないでしょうか?
勘三郎のことを思ってしまいました。
一つ一つの舞台が、役者さんにとっても大事であるのと同じように、観客である私にとっても大事なものなのだなぁ。
全体に、どこかがチグハグな気がしていて、それが何だろうと帰りの電車で考えていました。
玉三郎の相手役、松田悟志さんが、例えば市川海老蔵だったらどうだっただろう?そういう事なのかもしれません。全体にはよく演じていますが、格というのか、そういったものがチグハグに感じるのかもしれません。
永島敏行さんはよく演じられてました。
舞台でも本当に大きく見えました。
皆さんの役も、もう少し続けていくと、また違った印象になっていくのかもしれません。ファンはそれをシッカリと見ていきましょうぞ。
箱を開けると榮太樓飴でした。
父は榮太樓飴が大好きで、家に欠かしたことがなかったっけ。
とても幸せな気分になりました。