読書:3年で辞めた若者はどこへ行ったのか

「3年で辞めた若者はどこへ行ったのか」城繁幸・著。
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サブタイトルは、「アウトサイダーの時代」

城繁幸氏の本を読むのは「内側から見た富士通「成果主義」の崩壊」「若者はなぜ3年で辞めるのか? 」に引き続き3冊目。

今回の本では、昭和的価値観が平成の時代には合わなくなっている事を記している。

特にエリートと言われて、皆がうらやむような大企業に入った人達が(昭和の時代にはそれを辞めることなど考えもしなかったような会社に入った人達が)、そこを辞めたとしても(しかも3年という若いうちに辞めたとしても)いろいろな可能性があることを示唆しているという点では、私も納得するし、やりたいことを見つけた人には、その方が幸せであろうと思う。たとえ、給料が下がり、よくわからない会社名になったとしても、だ。

やっぱりWeb制作してみたい、Web開発してみたいと思う人はどうぞテレパスにも入ってもらいたいと思うわけである。

その一方で、私が採用担当をしていて思うのは、あまりに短期間で(例えば数ヶ月単位で)辞めてしまって、企業間をさまよっている人達も結構な人数になっているように見受ける。それを本人も企業側も力を併せてストップさせなければ、この国の未来が危ぶまれる気がしている。

この著者より、あと10歳ほど若い人達にそれが見受けられる気がする。それが私の気のせいなのかどうか?著者に直接会うことが出来るなら、その辺を聞いてみたいと思う(そういう機会があれば、の話)。

「何をやってきたか、そして何が出来るのか」

就職フェアでの講演や各種の勉強会などを通じて、大学生と話すことが多い。彼らからされるもっともポピュラーな質問の一つがこれだ。
「私はこれから、何をやったらいいんでしょうか?」

大学出ただけで人生が上手くいくなんて、昭和の悪い夢のようなものだ。その夢から目覚めさせ、現実を認識させる努力を怠っているのなら、たとえ最高学府であろうと、いずれ凋落するに違いない。
21世紀のエリートとは、自分の足で歩いていける人間なのだから。

著者のブログ「Joe’s Labo」はこちら。