「オープンソース ソフトウェア協会」の理事でもある小碇(こいかり)氏の著書。実にわかりやすい文章で奥が深い。良書。
小碇氏は40年以上の長きに渡ってソフトウェア業界に身を置いている。それゆえに言葉の一つ一つには重みがある。メインフレーム時代、オフコン時代、そしてオープンソース時代。それぞれの時代を駆け抜けた著者の言葉をかみ締めながら読んだ。そんな劇的な時代に生きた人なのに言葉はとてもわかりやすく、優しい人柄がにじみ出ている。
Web業界はオープンソフトのおかげで進化が世界規模で加速している。このエキサイティングな業界にいる皆様にはお薦めの一冊。
ベンチャーとはビジネスの冒険ですが、冒険は無謀な挑戦ではなく最善を求めて最悪に備える用心深さが必要で、また既成感覚を超えるスピード(勢い)が求められます。このベンチャー意識がOSSの開発コミュニティには何より求められます。ベンチャー意識の度合いがコミュニティの信頼性の尺度になるもので、私の体験を基にコミュニティが備えるべきベンチャー意識項目を挙げておきます。
- 開発を支える先導的ユーザを得ること
- 最善を求め最悪に備えること
- 自分に足りない専門分野のパートナーをもつこと
- 自らその分野のオピニオンリーダーになること
- 一人が皆のために皆が一人のためにあること
- エキサイティングな日々を過ごせること