「経常利益率35%超を37年続ける 町工場強さの理由」梅原勝彦・著。
社長といっても学歴があるわけでもなく、経営の勉強をしたこともありません。ただ毎日社員と一緒に、作業服を油で真っ黒にし、汗を流してきただけです。
最初のページにあるこの記載を読む。
これが多くの、日本の町工場の社長の姿であろうと思います。
私も同じです。毎日、社員らと一緒になって働きます。
どこにでもあるような町工場が、連続利益をあげ(しかも利益率が高い)、ジャスダックに上場する。
経営の本の多くはあまり中小企業には(もっと言うと零細企業に)は当てはまらない事例が多いが、この本は本当に参考になります。
中小零細企業の経営者の皆さん、是非、読んでみて下さい。元気になります!
著者は「株式会社エーワン精密」の創業者。現在は相談役。
小学校もろくに卒業しないうちから丁稚奉公として働きます。それは私が尊敬する松下幸之助さんも同じ。
のちに夜間の中学校に通います。その時に、
教科書代や給食費がすべて無料というのはびっくりしました。
それが税金でまかなわれた事を知り、
税金で助かる人がいる。その実感があるから私はたくさん利益を出し、きちんと税金を支払うことに喜びを感じるのです。
採用については、「入ったら辞めない」し、「紹介で入る人が多い」ので困ってないというのです。中小企業の大きな悩みの一つである「採用」に、悩んでないというのです。ただし、採用においては次の事にはこだわってる。それは、
経験者はお断りするということです。
つい「経験者優遇」と書いて人材を募集してしまうのに、なんと経験者はいらないと言うのです。理由は、、、本を読んでみてください(笑)
他にも、「会議をしない」「朝礼もない」「タイムカードもない」独自の考えで経営を貫きます。
特に次の言葉は刺さります。
製造業の基本、それは高品質、短納期、適正価格の三つ。そして、この三つを愚直に実現してきた結果が、町工場ではじめての上場であり、37年連続、売上好経常利益率35%程なのです。
私どもの「Web制作、Webアプリケーション開発業」においても共通します。特に「適正価格」についてはおっしゃる通り。発注者が値下げを要望する。でもそれを受けてしまうと、明らかに赤字になる。一度承諾すると、それが適正価格となってしまう。IT系が、現在の3Kとなってしまったのもこの辺に問題の一因があると思います。
町工場は設備投資が多いだけに事態は深刻です。それで著者は「日本の町工場を元気に」するために「梅原モノづくり財団(仮)」を設立しようと準備しています。「モノづくりへの恩返し」をしようと言うのです。
「財を残すは下、業を残すは中、人を残すは上」誰がいったか忘れましたが、いい言葉だと思いませんか。