新橋演舞場・2024年1月 初春歌舞伎公演・平家女護嶋

平家女護嶋(へいけにょごのしま)
恩愛麻絲央源平(おやこのきずななかもげんぺい)
――SANEMORI PARTII――

近松門左衛門 歿後三百年
近松門左衛門・作、石川耕士・補綴&演出、藤間勘十郎・演出&振付

俊寛僧都/常盤御前/斎藤別当実盛:市川團十郎
実盛娘ひな鶴:市川ぼたん
女童笛竹実は源牛若丸:市川新之助
能登守教経/腰元白菊:中村児太郎
海女千鳥/伊勢三郎:大谷廣松
御厩喜三太:市川男寅
丹波少将成経/荒熊団右衛門:市川九團次
平判官康頼/姉川平次:片岡市蔵
茶亭文治:市村家橘
熊野の僧湛増:大谷友右衛門
瀬尾太郎兼康:市川男女蔵
丹左衛門尉基康/武蔵坊弁慶:市川右團次
俊寛妻あづまや:片岡孝太郎

お席は桟敷席・1階右の4番。隣の「3番」席には人が来なかったから、ゆったり観た。

市川右團次さんの「口上」から始まる。まだ幕が開いてから数日だから、口上でちょっと忘れるもご愛嬌。袖から援護があって進む。会場は笑みと拍手喝采。

今年は近松門左衛門・没後300年。このような舞台が出来たことは嬉しい。

千鳥さんの着物には「たこ」が広がった絵が描かれている。海に関わる人という意味も込められているらしい。

俊寛が伸びた髭をしごいて刀を逆手にもち見得をするシーンがある。これは中国の「関羽(かんう)の髭」にまつわるものだそうで俊寛を英雄化したものであるらしい。深い。

團十郎の俊寛を見るのは2度目。前も團十郎にはどうだろう? と思いながら観始めたが意外にも(すみません)適役。悲しい俊寛。幕が降りても悲しみは続く。

11時少し過ぎてから入ったら、お弁当は「売切」ばかりで、やむを得ず、玉子サンドとホットコーヒー。

サクっと食べ終わったのでトイレが混む前に入れて助かった。

二幕目はわずか15分で終了し、5分の幕間の後は大詰。

團十郎さんの息子・新之助君と娘の市川ぼたんさんが登場する。最初、新之助君は女装をしている。アレ?と思っていると、それは化けていたのです。「男だろう」と見破られると、それまでの高い声から、少し下げて、男の子らしくなる。

市川ぼたんさんも出て、親子3人が舞台に揃うのは初めてだそうです。お子さん2人も上手い。そして、團十郎さんの早変わり。女装と男装ですからね、声のトーンも仕草も異なる。

とにかく新之助さんの演技の幅が大きく広がっていることに感心する。こうやって一つずつ積み重ねて立派な役者になっていくのだなぁ。

最後のシーンでは新之助さんは馬に乗って舞台を巡る。前の役者さんの両足が上がって、それを支える後ろ足の役者さんも大変です。そして、その上で堂々と舞う新之助さん。次回作も楽しみになりました。

「恩愛麻絲央源平(おやこのきずななかもげんぺい)」には、亡くなった「麻央さん」の名前が入っているのだそうです。子供達の活躍を見たかったろうなぁ。

イヤホンガイドを返却して外に出ます。

團十郎さんと新之助さんの写真。

團十郎さんと市川ぼたんさんの写真。

「大入」じゃ。

自撮り写真も。

新橋演舞場でござる。

自撮り写真も。すみません。