読書:風に舞いあがるビニールシート

「風に舞いあがるビニールシート」森絵都・著。
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ラン」を読んで、すっかり魅了された「森絵都」という作家。
直木賞受賞作品を読んでみることにした。

この本には、6つの短編小説で構成されている。
以下タイトルと、後で思い出せるように一言を添えてみた。

・器を探して(菓子の器を求めて)
・犬の散歩(捨て犬をボランティアで預かって…)
・守護神(文学部にニシナミユキという守護神が…)
・鐘の音(仏像を修復するする仕事をしていて…)
・ジェネレーションX(クレーマーに謝りに行く道中)
・風に舞いあがるビニールシート(元夫がアフガンで亡くなり…)

どれをとっても、すごい。すごいのだ。ホントにすごい。
久しぶりに夢中になりたい作家に出会った感じ。
(久しぶりというのは、それまでそういう作家が出てないという意味ではなく、単に私が小説を読んでないという意味です。誤解のないように。)

6つは、まったく異なる小説。
だが、根底には、平凡ながらも、それぞれの事情がありながらも、精一杯生きている様が表現されていて、胸にジンと来る。

たまたま、マラソン関係の本を読みたくて「ラン」に出会って、それで、この本に出会えた。世の中の不景気、政治不信、、、諸々すべてを、この本を読むと忘れてしまう。物語に、ドップリと引き込んでくれる。小説の力ってすごいなぁ。