また森絵都さんの作品を読む。
この本は、亡くなった「魂」から始まる。
なぜか抽選であたった魂が、別の人間になって、輪廻転生へのリベンジを行うという、なんともまぁ、おもしろい設定で始まる。
別の人間である小林真君はさえない中学生で、自殺してしまったところに、その魂が入り込み、死んだ直後の小林君が蘇るというわけだ。
自殺にはいろいろな理由があって、けれど今にして思えば大いなる勘違いもあり、それに魂は気づいていく。
人は、知らぬ間に人を傷つけたり、喜ばせたりする。お互いに。
人は傷つきやすく、そして勘違いする。
悲しみの中にユーモアがあって、グイグイと引き込まれてあっという間に読み終えた。あと味も明るくて、爽やかな感じ。