映画:人生ごっこ!?

文京シビックセンターで行われた映画「人生ごっこ!?」の上映会に行って来ました。

もともと文京区では生涯学習として「シビックシネマサロン」を月に一度、開催していて、今回はそれの拡大版です。文京区は熱心ですね。熱心な区民の方が足を運んでいました。

この映画は、東京都東大和市の皆さんが、「東大和で映画を作ろう!」と「東大和映画制作委員会」を立ち上げたそうです。

そして、林弘樹監督の「FireWorks」に制作を依頼。脚本は林監督のデビュー作から一緒に仕事をしている栗山宗大氏が手がけています。「東大和映画制作委員会」のサイトを拝見すると、監督、脚本家そして市民が何度も話し合いをしている様子がわかります。

林監督のデビュー作「らくだ銀座」も、商店街の町おこしのようなテーマで作成されているそうです。

そういうことですから、東大和市の大勢の人達がエキストラで参加されています。結構なセリフもあるし、大事な役柄もこなします。しかも、小さなお子さんから、お年を召した方まで幅広い。

上映の後には、林監督と、脚本家の栗山氏のトークショーが行われ、メイキングDVDを見ながら裏話なども聞かせて頂きました。

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東大和市は東京都の郊外にあり、昔からそこに住む人と、マンションを購入したなどで新たに加わった方とがいる街だそうです。東京周辺にはそういった街が結構あると思います。両者にはちょっとした意識の違いがあって、関係が希薄になりがち。そこで「映画を作ろう!」ということに。そして映画を作るうちに、皆が自分の街を見つめ直していくそうです。

東大和市にある「多摩湖(人工湖)」は、今年の3月まで堤体強化の工事をしていて、たまたま撮影の時期に水抜きされていたそうです。そこはまるで草原のよう。

「ここで撮影出来るといいなぁ」と監督。
「無理です」と市役所。
そこで、市民の皆さんが嘆願書を作って市に掛け合い、
なんと、水を抜かれた多摩湖で撮影された箇所があるのです。

多摩湖の水を抜くというのは、何十年かに一度の話。
次回のその時には、我々は生きていないでしょう。

偶然って不思議ですね。

昨年、亡くなられた俳優・峰岸徹さんが、このような「市民による映画」という事に賛同してくださり、この映画にも出演、非常に協力してくださったそうです。

ストーリーは、奇想天外な設定から始まるのですが、最後にはジーンときて、おもわず涙される方もいらっしゃる。脚本がおもしろいと感じました。

費用は多くはありません。厳しい制約の中で撮影が進みます。おまけにプロの役者さんは少しで、あとはエキストラです。雨が降っては外で撮影が出来ない。撮影時間が長引いては、太陽の明るさが変わっては撮影出来ない。

映画を撮るって、なんてすごいエネルギーなんでしょうか。

上映会、トークショーと続いた後に、「懇親会がある」というので、それにも加えて頂きました。すると、様々な「市役所」の方がいらしていて驚きました。

「次は我が街で映画を!」と思う市役所の熱い方が大勢いらっしゃる。私も負けじと「私は気仙沼でして」などと口走ります。皆さんは様々な勉強会を通じて知り合ったそうです。「お役所」に偏見を持っていた私は恥ずかしくなりました。

作成に到達するための問題は予算だそうです。
他の映画に比べて、「比較的安く」と監督は言いますが、それでも映画1本撮るのですから、市役所の職員さんの立場ではなかなか難しい。

気仙沼だったら、一人5,000円とか1万円とか出して、さぁて何人集められるだろうか?

気仙沼の映画も作って欲しいと思いました。
本日の作品と、デビュー作の「らくだ銀座」のDVDを買いましたから、同級生の皆さん、あどで一緒に見っぺし。映画って夢があるっちゃね。