読書: 学校の勉強だけではメシは食えない!

「 学校の勉強だけではメシは食えない!」岡野雅行・著。
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このタイトルを見て、おもわずニヤリ。
オヤマ家で、いつも言われている言葉です。
皆さんも言われて育った?

著者の岡野氏は「痛くない注射針」で有名な、あの町工場の岡野さん。

本全体が、「質問」で始まり、それに岡野さんが答えるという手法をとっている。

最初のページ

一番大事なことは世渡り力を勉強することだ。断っておくが、世渡りというと、要領がいいとか、ごますりといった印象を持つ人が多いが、実はそうじゃないんだ。(中略)
今も決して忘れない言葉がある。「何か人にしてもらったら、四回はお礼を言いなさい」という言葉だ。例えば、食事をごちそうになったら、食べ終わったあとに「ごちそうさま」、翌日に「昨日はごちそうさま」、そして次の週になったら、「先週はごちそうさま」、そして、次の月になったら「先月はごちそうさま」と四回お礼を言いなさいと。

そういうことは学校では教えないんですね。今も昔も。著者でいえば、玉の井のお姐さん、お兄さん、落語家の卵、芸術家に教わる。

例えば小遣いを入れるがま口ってあるだろう。がま口の口部分を作れる職人が減っているって知ってるかい?あの閉めたときの「パチン」という音は、ただ鳴ればいいってわけじゃない。力のないおじいさんやおばあさんでも軽快な音をたてて閉められるように作られているんだ。そういうものを作るには、実は努力と技術の積み重ねが必要となってくる。

コツコツといいものを作り続ける。その気質が日本じゅうにはあった。今は目先の新しさに走ってしまう。そうするうちに、あの「がま口」を作れる人が減っているという現実。

「誰にもできない継ぎ目のない鈴」は、

40年以上前、近所のプレス屋のおやじが、「岡野さん、今ある鈴は継ぎ目があってかっこ悪い。もっと見た目がいい鈴をつくりたいんだけど・・・」と相談を持ちかけてきたんだ。

たかが鈴。
それの格好がいいとか悪いとか、そういう視点ってすごいよね。

岡野さんは「そんなものできないよ」と答えるのだが、そのおじさんは「絶対できる」というので「結局、俺は作った」

それが「痛くない注射針」のヒントになった。

なぜ働くのか?とか、自分探しをしている若者にも読んで欲しいと思った。この本、元気になる。