直木賞受賞作品は読もうと思っていたのは随分前の話。
この頃は小説をほとんど読んでません。
山本文緒さんは、前から気になっている作家です。
私の1歳(学年では2つ)年下の1962生まれ。
自分と同時代を生きている作家が描く世界というのは興味深い。
小説を読む前に、エッセーや短編を読んでみる事がよくある。気楽に読むことが出来て、その人の文書を受け入れられるかどうか確認出来る。
同世代とはいえ、この本を書いた著者はまだ30歳代から始まるエッセー。
30代・・・もぅ遠くなっちゃいました(笑)
ほとんどが直木賞を受賞する前で、その間に結婚し離婚し、一人暮らしをし、そして再婚する。少女小説から始まって文芸と言われる世界に入っていく。
人生が180度変わるほどの激動の時を過ごすわけだが、実際の生活は、本人が書いているように「かわり映えしない」
特に本を読むことが好きだったわけでもなく、普通のOLとして数年を過ごした著者が経験していく様は、私のような者にも共感出来ることが多々あっておもしろい。
洋服が好きで、電話でおしゃべりが好きで、ちょっとお金が入ると旅に出て、その中で経験する事は世代を越えた多くの女性が「わかる・わかる!」と思います。
それにしても、作家の感性ってすばらしいですね。
文学、音楽、美術、お芝居、、、etc
そういう世界が人間に与える豊かさを改めて思いました。