読書:ウェブ時代 5つの定理

「ウェブ時代 5つの定理」梅田望夫・著。

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サブタイトルは「この言葉が未来を切り開く! 」

梅田氏の著書は、「シリコンバレー精神」「ウェブ人間論」に引き続き3冊目。

「まえがき-私の勉強法」の中に次の記載がある。

私はひたすら、ビジョナリーたちの切れ味の良い言葉を探しては考える、ということをずっと繰り返してきました。日々の仕事での経験にビジョナリーたちの言葉を照射しては、変化の予兆をとらえようとしてきました。これが今も続けている私の勉強法の核心なのです。

そして、本の中では、ビジョナリーの言葉を日本語と英語で表記され、その言葉の背景を開設するという手法をとっている。

それらの言葉は、日本人の、私が尊敬する経営者達が日本語で語っているのと大差ないかとは思うが、こういった言葉は、受ける側の精神状態によって、とても突き刺さる時がある。

今の私に刺さる言葉は、

A クラスの人は、Aクラスの人と一緒に仕事をしたがる。Bクラスの人は、Cクラスの人を採用したがる。— シリコンバレーの格言

本書では「グーグリネス」という章を設けて、グーグル社について詳しく述べている。「創業者から株主に宛てた異例の宣言書」には、

グーグルは「普通の会社」ではありません。そしてそうなろうとも思っていない。— ラリー・ページ

この言葉は優秀な若者に刺さる言葉でしょうね。その言葉は、それまでの「前」があって、前の良くない(と感じる)部分を見て出来た信念だろう。グーグルはシリコンバレーという特異な場所で、スタンフォード氏によって開かれた時から、少しずつここに向って突き進んだ結果とでもいうか、歴史が今日を作る。

その中で、起業する際の日本との決定的な違いが見える。
起業した会社を大きく育てるには、「いいアイディアを持つ人間」と「それに投資する人間」と「経営する人間」そういった組織が必要であり、シリコンバレーはそれを実現出来る状況にあるということだ。

日本では「いいアイディア」を持つ若者がいたとしても、そこに投資する人達との接点、経営のプロ達との接点が(なかなか)ない。そういった事の確立がされていない。

それは良い意味でも、悪い意味でも、日本的経営によるものと思う。日本的経営の良い点もある。ただ、グローバルな土壌で起業しなければならないITベンチャーの世界では、このしくみを早期に確立しないと、世界からますます遅れることになる(かもしれない)。