ボニート物語 —2

「BONITO」は、魚の「かつお」という意味で付けた。名前を付けることは案外と難しい。最終的には自分が納得すればいいのかもしれない。

実家は代々、魚問屋を営んでいる。育った町は魚町(さかなまち)。そして、私は魚座生まれ。魚にちなんだ名前にしよう。

和英辞典を調べて、いくつか候補をあげ、その中から「bonito」を選んだ。鰹は、戦国時代には、戦の前に食べる縁起のいい魚であることもわかったし、江戸っ子には「初鰹」として重宝された。地元・気仙沼のかつおの水揚げ量は日本一だし、これでいっか。

後になって、bonitoはスペイン語で「美しい」という意味を持つことを知った。ただし、男性に対して美しいはbonitoで、女性に対して美しい・かわいいはbonita(ボニータ)を使うらしい。

ボニートは、よくボニータと間違えられた。