ボニート物語 —13

会社を変革するにあたり、新しい企画を社内公募した。わずかだが予算をつけるから何か考えてくれということだ。

新しい事を考え出すエネルギーはおもしろい作用がある。私もくだらない企画をいくつか発表しては「つまんね~」と言われながらも、ない知恵を絞った。「こういうのはどうか?」と発表する時の皆の瞳が輝いている。

たとえ良い企画でもボニート内で実行出来なければ意味はない(外注するほどの予算はないから内策は必須条件である)。「それもいいんだけど、現時点では無理だね」というのもあった。

いくつかの案件の中から採用したのが「yosou.jp」サイトである。

ギャンブル好きの社員が予想をするための独自理論を形にしてみようと考え出した。当初の予定は「Macのソフト開発」だったが、皆で考えるうちにサイトでの公開(案)が持ち上がり、それもいいなと思ったので方向転換をした。

私はギャンブルとは無縁の人間なので「Goサインを出すとは思わなかった」と、後になってそういう話を聞いた。私は「皆がそんな事を考えるのか」と逆に驚いたりした。

「yosou.jp」は何度も挫折しそうになりながら、どうにか公開前まで辿り着き、公開まで秒読みかと思われた最後の最後に来て、いよいよ行き詰まってしまった。 

ここまで来たのに、このまま終わらせてはいけない。絶対に最終形まで持っていくゾ。藁をもすがる思いで、秋山氏にメールした。

「こういうことをしたいのだが相談に乗ってもらえないか?」