ボニート物語 —15

「合併しませんか?」という私の問いかけに秋山氏は驚いて、一瞬、凍り付き、その後で「一晩、考えさせて欲しい」と言った。

その翌日、私達は、むしろ合併によるデメリットをあげてみることにした。メリットはいくらでも出てくる。しかしながら、デメリットはいくら考えても出なかった。あまりにデメリットが見えないから怖いぐらいだ。何か大きく見落としていることはないだろうか?

互いの決算書を見て実態を見極めた。合併に関する書物を読み、この2社における合併が可能かどうかを調べた。合併を切り出した私から、テレパスを残しボニートは解散することと、秋山氏を代表とすることの2点を提示した。「合併」の話を切り出してから数日後、ボニートとテレパスの2社の合併を決定した。

その後、秋山氏が代表を務めるもう一つの会社「ティルダ」についての話し合いが行われた。株式会社ティルダは、株式会社レイズの代表取締役・中江氏と、テレパス株式会社の代表取締役・秋山氏の2人が代表を務める会社で、Webデザインを主たる業務としている。

設立当初は渋谷に事務所を構えていたが、諸事情があって、今はテレパス事務所の一部に机を並べていた。これを機にレイズかテレパスのいずれかに統合されるのがいいのではないかという話し合いがなされ、最終的には、秋山、中江、私の3人が集まって、テレパス・ティルダ・ボニートの3社の合併が決まった。