途中まで歩き、そして電車に乗る。東銀座駅・下車。今月も来ましたよぉ〜!
「市川九團次丈プロデュース!」の「クダンディアンカレー」。歌舞伎座特別価格で、800円→640円で販売している。買いましょう。
「歌舞伎茶屋」さんで、カレーそばとアイスコーヒー。
時間になりました。上に上がると、あら、雨が降っています。結構、降っている。イヤホンガイドを借りて、お席へ。
今日のお席は、1階・東3の2番。桟敷席です。
一、ぢいさんばあさん(森 鷗外 原作、宇野信夫 作・演出)
美濃部伊織:片岡仁左衛門
下嶋甚右衛門:中村歌六
宮重久右衛門:中村隼人
宮重久弥:中村橋之助
久弥妻きく:片岡千之助
戸谷主税:片岡松之助
石井民之進:片岡亀蔵
山田恵助:市川権十郎
柳原小兵衛:坂東秀調
伊織妻るん:坂東玉三郎
森鴎外の短編小説から劇作家の宇野信夫が作・演出を手がけ、昭和26(1951)年7月に初演された新歌舞伎。「桜」は原作にはないそうです。二幕目の若夫婦も原作には出ないそうで宇野の脚色によるもの。「伊織」は鼻を触る癖がある。「久右衛門」は腹を立てるのが癖。「伊織」と「るん」は江戸と京都に別れて暮らすことになる。来年は帰ってくると思っていたのだが、「伊織」が刀で人を殺してしまうことから取り押さえられてしまう。「るん」は坊やと暮らすが坊やは流行病で亡くなってしまう。「るん」の弟「久右衛門」が守り住み続けた。
37年後、恩赦で「伊織」が江戸に帰り「るん」と再会する。それぞれが「爺さん」「婆さん」になっているが、鼻を触る癖を見て、「るん」はダンナ様とわかる。70歳と68歳。「変わったなぁ」と「伊織」が言う。37年、変わるはずだ。「るん」は座布団から降りて詫びる。坊やをほうそう(天然痘)で亡くしてしまった。二人はあやまり合う。琴の音も昔のまま、桜の花も昔のまま。変わったのは二人だ。互いを思いやる気持ちは変わらない。長年、定説を尽くしたことを褒める。帯のキレで作ったお守り袋、それをずっと身につけていた。そのお守りのご加護。「久弥」と「きく」は手をつないで去って行った。「余生ではない、新しい暮らしを始めよう」と「伊織」は言う。
片岡仁左衛門と坂東玉三郎の「ぢいさんばあさん」は12年ぶりだそうだ。私は勘九郎さん(のちに18代目・勘三郎さん)の「ぢいさん」を観た記憶があるがブログに記録がない。ネット検索すると2002年4月歌舞伎座(夜の部)で演じている。それを観たのではないだろうか? 好印象の記憶が残っている。
今回の、仁左衛門さんと玉三郎さんも素晴らしい。少し前のネット記事で「空席がある」というのを見た。一見すると満席に見える客席だが、よくよく見ると、確かに「空き」が少しあった。こんなに良いお芝居は是非とも大勢の方にご覧いただきたいものだ。
二、お祭り(おまつり)
芸者:坂東玉三郎
若い者:中村福之助
同:中村歌之助
赤坂・比枝神社の山王祭を素材にしたもの。政治の中心地での天下祭り。江戸城の中まで行って神田明神の神田祭と交代で将軍に見てもらったもの。「ワンランク上」と言う位置付け。江戸城まで出かけて行って将軍に会って、また町内に戻る。鳶のお頭は火消し役、仕切り役にたけていた。町内の期待、誇りを一身に背負って顔役。意気揚々としたいなせな様。鳶頭としての踊り、鳶頭と芸者と二人、あるいは芸者一人で踊る。芸者の姉さんに絡むは中村福之助。のろけ半分に語る。踊りの仕草で色っぽい。後半は踊りながらの立ち回り。初演は200年前・文化文政。
玉三郎が美しく、そして、良い踊りを披露する。玉三郎ファンにとっては今回の舞台は見応え十分。大観劇。どうぞ、お元気で、また素晴らしい舞台を見せてください。
帰りも雨が降っていて東銀座駅から電車に乗って帰る。帰る時間帯になると地下のお店は片付けられていた。毎日、これを広げて片付けるのかぁ。大変ですねぇ〜。