読書:ありがとう、お父さん

「ありがとう、お父さん」市川ぼたん・著。

現・市川海老蔵さんの妹さん、今年は「市川翠扇(すいせん)」を襲名した。

私が初めて歌舞伎座で歌舞伎を見たのは1979年5月の團菊祭。「鳴上」だった。当時の市川海老蔵さんが演じたもので感動したことを覚えている。「エビさま」と呼ばれていたお父様の團十郎さん。その演目を最初に見たことで、どっぷりと歌舞伎ファンになった。女子大の寮の先輩が歌舞伎ファンで連れて行って頂いた。感謝しています。

私は舞台で演じる姿しか知らないが、ご家族がみる團十郎さんがまた素晴らしい方でしたね。

しかしながら晩年は病気との戦いでした。あんなに早く亡くなるとは思わなかった。歌舞伎座に行くと写真が飾ってある。その前に中村勘三郎さん、後ろには坂東三津五郎さん。皆さん、若い。

この本の執筆は團十郎さんが亡くなられてから、まだ2年という時。2年になる少し前に書き上げている。私も父の三回忌までは辛かった思い出がある。そして三回忌がすんでから、少しずつ、少しずつ、落ち着いてきた。そのことを思い出す。

白血病という病。どれだけ大変だったのでしょう。ご本人も、ご家族も。

そんな中でも仕事をし、そして、家族を大切にし、素敵な内容です。読んで良かった。