掃除とか、掃除とか、掃除とか、、、色々やらなければならない事が多いというのに、読書。この本おもしろくて、一気に読んだ。
ストーリー自体は、そういってはアレですけど、たいした話ではないのです。どこにでもあるような高校の部活の話。けれど、何でしょうか、グイグイと引き込まれてしまう。
ストーリー展開、心の動きのテンポが、私に合っていたのでしょうね。
「カッコいい」を「カッケー」という言葉を用いるなど、最近の若者の特徴があっておもしろいが、これはあと10年後には、どのように受け取られるのでしょうか? これからの文学はどうなるのでしょうか? なんて面倒な話は置いといて、正月休みの、ちょっとゆるんだ頭にはちょうど良い娯楽となりました。
私も中学、高校と部活一筋だったので、心の葛藤、努力の結果、わかります、わかります。
著者の佐藤さんは「未経験の私」と「謝辞」で書いている。
作家は、自分で体験してないことを、このように描けてしまうという、すごい才能です。
現実の県立高校生の部活の葛藤は、ここにはないけれど、あと一つ、「勉強」がついてまわりましたっけ。部活で疲れた身体、でも、明日の英語の単語を調べないといけない。和訳を、数学の公式を、いろいろやらなければいけない。結果、、、何もしないで寝てしまう、、、「あー、寝ちゃった」その葛藤がいつも付いてまわった高校生活でした。
そんな、あの頃を思い出してみたりして。
でも、俺たちの4継チームは、いきなりポンと生まれてきたわけじゃない。(中略)毎年、毎年、ウチの部で、誰かが4継を走り、バトンを渡してきた。この総体路線で、ずっと走り続けてきた。(中略)
俺は足を速めて、先生に並んだ。
「ずっと、つながっているんだね」
部活をやっていたものとしてはジーンと来ます。名もない県立高校の、どうということのない部活であっても、ずっとつながっているんですね。
正月の駅伝もまた楽しみであります。