著者は、田安徳川家十一代目当主。
そういう方が書く「内緒話」だから、期待が膨らむ。
書店で手にとって開いた最初のページには次の記載。
私の母は、「徳川」という名前はずいぶん重荷だったらしく、晩年に書いた自叙伝では、「いっそ<川徳>という名字に変えられたらどんなに気が楽だろうと思ったこともありました」と告白していました。
ここを読んで「内緒話」としての期待がふくらみ買い求めたのだが、実際には「内緒話」というよりは、他の本で知っていることが多くて、少しがっかりした。多くのページは将軍家の事について書いているし、ご本人も、直接ではなく書物等で知ったことのようである。
ただ、少しではあるが「田安徳川家」としての記述があり、これまで御三卿については、その名前を知るだけだったので、興味を持つところとなった。それは主に「第六章 わが田安家のヒミツ」にある。
現在、武道館があるあたりが、かつての田安館があったところらしい。(中略)皇居の北の丸にはずいぶんきれいになった田安門がある。
田安門を意識をして見ることがなかった。今度、その辺に行く時にはちゃんと見てみたいと思う。
徳川の正しい字は、横棒が1本入る
「徳川」という名字は、本来、旧字の「德」という文字を使う。戸籍でもそうなっており、これは私の家だけではなく、宗家も徳川慶喜家もみな、旧字の「德川」が正しい。
へぇー、そうでしたか。
きっと、この本には書いてないだろう、本当の「内緒話」もあるのだろうね。そういう期待感が徳川家にはあると思う。