読書:迷いと決断

「迷いと決断」出井伸之・著。
迷いと決断

ソニー前CEO兼会長である出井さんが書いた本。
出井さんがソニーの経営者として君臨した10年は激動の時だった。

「カンブリア宮殿」というTV番組に出演した出井さんを見ると、やはりこの人には独特の魅力がある。

ソニーCEO時代にはどこか恐い顔をしていたが(記者会見では厳しい質問が飛ぶからやむを得ないが)、少し柔らかい表情になっているのは、それだけソニーの重責が大きかったのだろうか。

会社を引き継ぐというのは、創業以上に難しいだろうと想像する。ましてはソニーほどの会社を、だ。

ソニーのいいところ、面白いところは、エンジニア一人ひとりがモノ作りへのこだわりを持ちながら、自由に個性を発揮出来ることです。
そういうと、さぞかし優秀な技術集団が科学的真理の追求に向かってクリエイティビティ豊かな仕事をしているんだろう、と思われるかもしませんが、実は案外そうでもありません。CCDの開発などの例はありますが、ソニーは必ずしも最先端の技術だけを使ってモノを作ってきた会社ではないのです。

これは意外な気がする。外側から見るソニーと内側から見るのとでは違うのか。

最後の章では、出井さんが創業した「クオンタムリープ株式会社」という会社について述べている。創業の大変さも述べている。

このごろでは「社員数が70人」なんていう若手の経営者に会うと、心底「すごいなぁ」と尊敬してしまいます。

こういうところ、すごくチャーミングよね。