読書:強いニッポン

「強いニッポン」御手洗冨士夫、街隆雄・著。
強いニッポン

御手洗さんは、ご存知キャノンの会長。現存する経営者の中で私が最も尊敬する人。御手洗さんの言葉をそのまま引用する。

会社には存在意義が四つある。順番は別として、一つは従業員の生活の安定、向上で、二つ目に投資家に対する利益還元、三つ目が社会貢献で、もう一つは会社が生きていくための自己資金を稼ぐことだ。

ところで、企業にとって最も大切なものは「変身力」である。

松下電器の中村さんとの対談がある。この時代を代表する経営者。2人とも会社の危機の時に社長に就任し、見事に回復した実績を持つ。そういう経歴なのに、2人とも謙虚。

御手洗さんは、「少子化問題」、「地方の格差問題」に触れ、東芝の西室さんとの対談では、中国経済の動向に触れる。

少子化になり、老人が増えた後を考えて、工場内では自動化(ロボット化)をどのように進められるか、そういう技術を付けることで、日本は「強いニッポン」になれる。今の私には、「美しい国」と言われるよりも、はるかに心に響く。