京セラ・名誉会長・稲盛氏の著書。
会社の組織を「アメーバ」と呼ばれる小集団に分け、社内からリーダーを選び、その経営を任せることで、経営者意識を持つリーダー、つまり共同経営者を多数育成した。
どうせ大企業の話だろうと思う方もいらっしゃると思う。私もそう思った。だって、別段「小集団」に分けなくても、最初っから「小集団」でしかない零細企業には当てはまらないのではないか?
ところが稲盛氏は、家族だけで経営している食料品店を例にする。
店はさほど広くないのだが、野菜、魚、肉を販売しており、乾物や缶詰、インスタント食品などの加工食品まで取り扱っている。客が買い物をすると店主は店先につるしたザルに代金を入れ、おつりを渡す。(中略)
この店の例であれば、野菜、魚、肉、加工食品の四つの部門に採算を分けて計算してみる。集計するのがたいへんならば、売上のお金を入れるザルを四つ用意すればよい。(中略)
そのうえ、「長男は野菜担当、次男は魚担当….」と責任分担を決めておけば、さらにきめ細かい経営ができる。
その場合に大切なことは売上だけではなく、経費をも自分達で管理するしくみ作りだ。
利益は、売上から経費を差し引いたもの。
それであれば、売上だけではなく経費を管理する必要がある。そこがポイント。
稲盛氏は、人件費は経費から除外してもらっていると言う。なぜなら人件費を経費に含めると安い人材を登用し、高い(能力のある人とイコールになる)を敬遠しがちになる。それは本意ではないという。
この辺りに大きなノウハウがあるように思う。