ぐん・ぺんの「千代丸の事」

「ぐんじょう色のペンkesemoi」に「千代丸の事…あれからひと月」が書かれた。

KABOさんの「千代丸の事を書かないと一歩も前に進めないのだ。」というせつない思いが伝わる。
「狭い田舎町の事だ、直接の肉親でなくてもなにがしかの関係で繋がりがあったりする。」私も直接ではないが、母の知人2人が乗船されている。母は電話の向こうでその話をするたびに涙ぐむ。

船の中ではどのような会話がなされ、どのような決断がなされたのだろう。すべては想像だが、そこまでしなければならなかった状況が、今の気仙沼を象徴しているように思う。気仙沼だけではない。格差が広がる日本の、一部の潤う都市部以外すべてを象徴しているようだ。

私は都会の一角で、机に向かってヌクヌクと仕事をさせてもらっているが、大自然と戦いながら生きている人がいる。気仙沼はそういう海の男が生きる町だ。

読書:若き数学者のアメリカ

「若き数学者のアメリカ」藤原正彦・著。
若き数学者のアメリカ

この本はアメリカ旅行の際に持参し、1ヶ月以上かかって、やっと読み終えた。途中で技術系の本を読んでいたために進みが悪かったが、内容はおもしろい。

藤原さんが1972年にアメリカの大学に研究員として単身で行かれた時の様が実に正直に語られている。ここまで書いていいのーwと思う。ラスベガスで熱くなっちゃってお金がなくなったところを、ラスベガスから帰る飛行機の中で読み、あー、行く前に読むべきだったw。

藤原さんのように英語が出来る人でも、英語がわからずに四苦八苦することや、どうしてアメリカで少々、鬱病のようになってしまったかが、きちんと書いてある。そしてまた、どのようにしてそういう事から抜け出たかという心の動きが鮮やかに描かれる。

この当時は一般的な日本人がアメリカには住むことが少なかったけど、その後、海外に増え続ける海外移住者は、この本は参考になるのではないだろうか。時代を経ても色あせることはない。