読書:走ることについて語るときに僕の語ること

「走ることについて語るときに僕の語ること」村上春樹・著。

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村上春樹が好きな時があった。ワオ、20年前だ。
「ノルウェイの森」を一気に読み、それから前にさかのぼって読破。それがいつの日にか、読まないでいた。たぶん、私が読む本がビジネス本に傾倒したからだろう。

このまわりくどいタイトルが村上春樹らしいなとニヤリとしたが、これは村上氏が好きな「レイモンド・カーヴァー」という人の短編集のタイトルを使わせてもらったと記してあった。

これほど、ピタリとくるタイトルが他のところにあったとは。
村上氏が「走る」ことはあまりに有名だが、彼は1982年から走り続けている、そして、、、ある年齢からタイムが伸びなくなる。もっと言うと、後退する。それまでに経験した事のない世界に突入する。

そういう事は、あまり書きたくない事だろうと思うが、この本ではその切実な思いが、きちんと丁寧に書かれている。走ることと年を重ねること。

私は走り始めてまだ間がないから、今は成長期だが、他の分野では自分の減退を感じることは多々ある。それとどう向き合えばいいのか。

そして村上氏がある大会に出て時の目標「ゴールインすること、歩かないこと、それからレースを楽しむこと」私も同じです。最後の「レースを楽しむこと」は、これまで考える余裕すらなかったが、ここの文を読んでハッとした。「楽しむ」これが本当は大事なんだなー。