読書:若者はなぜ3年で辞めるのか?

「若者はなぜ3年で辞めるのか?」城繁幸・著。
若者はなぜ3年で辞めるのか?

内側から見た富士通「成果主義」の崩壊」の著者でもある城繁幸の本。
「年功序列」が若者に大きな閉塞感を与えていることを書いている。

この本によると、豊臣秀吉が「奉公構い(ほうこうかまい)」という制度を作る前までは「七度主君を変えねば真の士(さむらい)にあらず」と言われたようだ。それまでは武士と領主の間はどちらかというと対等の契約関係に近かったらしい。
奉公構いとは…

たとえば、ある大名が、自分の許可なく勝手に家臣を辞めた人間を「奉公構い」扱いと宣言したとする。すると、どんなに有望であっても、他家はけっして彼を採用出来ない仕組みだ。

これが江戸時代まで続いたそうだ。

ギュっと縛り付けると、それから抜け出したいと思うのが人情。
けれどもそこから抜け出した先には、いつも「希望」があるわけでもないのではないか。

私はフリーター(派遣社員)を経験した。派遣される会社の、どこもかしこも似ていることに驚いた。会社としての個性がない、と感じた。

「会社の個性をつくる」ことは、「個性」をどちらかというとつぶしてきた日本社会には難しい課題かもしれないが、ここに来てIT企業には増えている(気がする)。

テレパスも「年功序列」ではないし、「次に向かう力」が必要で、呑気な会社員生活を送ることは出来ない。常に刺激がある。しかしながら、小学校から大学まで、他人と同じように生きてきた人達に、それは厳しい世界とも言える。以前(私が創業したボニートという会社の頃)「自分にはIT業界は向かない」と言って辞めた新卒者が、その後、公務員試験を受け直して公務員になったケースもある。「幸福感」は人によって異なる。

著者は日本を代表する大きな企業にいた方だ。そういうところで「年功序列」や「組織が大きすぎてなかなか変えられない現実」に辟易している方がいらしたら、テレパスのような会社に入ってみるのもおもしろいかもしれませんよ(^^)