会社はお休みして向かうは歌舞伎座じゃ。
東銀座駅で降りると地下でお弁当を買い、グルリと見る。ここは素晴らしい空間です。何も買わずにすみません。
お弁当を買って地上へ。3人の阿古屋が美しい。玉三郎は白雪姫の衣装も美しい。
イヤホンガイドを借りて、10時半を過ぎたので歌舞伎座の中へ。お席は、1階10列7番。花道のすぐ横。
1.たぬき
柏屋金兵衛:市川中車
妾お染:中村児太郎
太鼓持蝶作:坂東彦三郎
狭山三五郎:坂東亀蔵
隠亡平助:中村萬太郎
芸者お駒:市川笑也
女中お島:市川弘太郎
松村屋才助:中村松江
門木屋新三郎:大谷桂三
隠亡多吉:片岡市蔵
芝居茶屋女房おはま:市川齊入
備後屋宗右衛門:市村家橘
女房おせき:市川門之助
中車さんは「金兵衛」という大変な役、初役です。いやぁ、大人になって歌舞伎の世界に入って、こんなに大活躍するとは想像さえもしませんでした。死んでしまった(と思われた)金兵衛さん。実は生きていた。そういうことは江戸時代までは本当にあったようです。そして、家には帰らずに愛人宅に入り、隠していたお金を手にする。ところが、、、愛人に男がいる。愛人に会わずにお金を持って立ち去る。その後、別の名前で成功する。「金兵衛さんに似た人がいる」と話題に上がる。「いやいや違いますよ」と話しているが、あまりの「そっくり」に皆さんが驚く。愛人はあてにしていたお金もなくなり、質素なナリになってしまった。何というか人間の本質をよく書き表していると思う。この作品は初めて観たかも。
「たぬき」は大佛次郎が書かれた。初演は昭和28年7月の新橋演舞場。金兵衛は二世松緑さんが勤めた。大佛次郎さんの記念館が横浜にあるらしい。行ってみたい。
ところで江戸時代には「火葬」はなかったのではないかと思うのです。私の先祖も土葬だったのでお墓移転の時に難儀したと母が申していました。昭和になって書かれた作品かと合点がいく。そこのところはどうなのでしょうか?(疑問が残りつつ)。
笑也さん、久しぶりに見ます。すっかりベテランですね。そりゃそうだわ。
35分の休憩。お弁当を頂きます。「(京樽)てまり寿司」1,080円。
2.保名
保名:坂東玉三郎
今日はBプロで玉三郎が保名。もう何度も観た気がしていたが、玉三郎の保名は初めてかもしれない。26年ぶりに演じるそうだ。私が保名を観たのは2005年3月の歌舞伎座。片岡仁左衛門が舞った。玉三郎は舞がうまいと思う。しっとりと見入りました。
3.壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)阿古屋
遊君阿古屋:中村梅枝※
遊君阿古屋:中村児太郎※
岩永左衛門:市川九團次
榛沢六郎:坂東功一
秩父庄司重忠:坂東彦三郎
今日は児太郎さんの阿古屋。お父様もこの役はまだやっていないと思う。大役です。美しい。まだちょっとドギマギする場面もあるけれど、こういう大役につくというのは凄いことです。これから何十年もかけて物にしていって頂きたい。来週は玉三郎の阿古屋を観る。その違いがハッキリ出るだろうなぁ。特に胡弓の演奏。玉三郎のそれを聞くのを楽しみにしている。
今日のイヤホンガイドは玉三郎の語りがあった。お弁当を食べながら聞き、トイレに行きながら聞く。良いお話です。
いつもの道ではなく遠回りして歩いて帰ろうと思う。GoogleMapも見ずに「こっちの方だろう」とテクテク歩く。東京タワーだ。
しかし、、、だ。道を間違えている。どこかで逆に進んだのだ。ここですぐに気づくべきだった。さらに南下してしまった。NEC本社ビルのところで右折する。戻ろう。赤羽橋あたりまで来た。また、、、東京タワーを見る。
あたりはだんだん暗くなり、、、これは電車に乗りましょう。「六本木一丁目」駅だ。地下に降りる。クリスマスツリーが美しい。
地下鉄に乗る。四谷で乗り換えて丸の内線だ。ヤレヤレ。お疲れ様でした。