読書:次郎と正子

「次郎と正子」牧山桂子・著。
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昨年だったか、白洲次郎と正子の本を続けて読んでいたことがあります。その時に買っていたのに積んであったのを読みました。

2人の一人娘である牧山桂子さん。
娘の視点で見る2人の、個性的な生き方がおもしろいです。

でも、あのような父と母がいたら、娘としてはどうだったのでしょうか?

「次郎と正子を両親に持って思うこと」にはこのようにあります。

何か普通とは違う両親と比べてみて、知り合いの家の親たちを羨ましいと思ったこともたびたびありました。

お2人の個性的な人達の子供として生まれたことで、他には経験出来ないような事が多々あったと思います。子供の頃の思い出は、当時としては考えられないほど裕福だったろうとも思うし、それは戦争が始まるや鶴川に移住して農作物を育てることにした父の決断にもよるところがあったと思います。

母親は桂子さんを頼っていた様がわかります。
車の運転、家事(特に食事)その他諸々を桂子さんが担当している。なぜか母は家事が出来ないと娘も諦めているけれど、果たしてこのようなお嬢さんがいなかったら、どうしていたのでしょうね?

当時の裕福な家で育った人に「家事が出来ない」人を何人か知っています。
「そんなことあるかしらん?」と思っていたけれど、あるのかもしれません。

本人は食事の後片付けをするけれど、結局、桂子さんがやり直しをしなければならない。私の母も(母は別に裕福な家で育ったわけでもありませんが)、いくつか出来ないことがあり、いつも「どうして?」と思っていたけれど、なんだか納得がいく気がしました。

鶴川にある「武相荘」には、いずれ行きたいと思っていながらまだ行ってませんが、今度こそ行ってみたいと思います。