サブタイトル:高橋尚子の基礎トレーニング
著者は高橋尚子の大阪学院大学時代の指導者(監督)である。
岐阜商業高校から同大学に進学するにいたったいきさつから始まる。
小出監督の元で練習に励むQちゃんは様々に知らされているが、大学時代、監督からは「高橋」と呼ばれ、友人からは「なおちゃん」と呼ばれて過ごした多感な時期、この時の様子がこれほどまでに詳細に綴られているというのは、それだけ監督が熱心に生徒と向き合ってこられた、ということだろう。
「大学時代はそれほど目立つ選手ではなかった」ように伝え聞いていたように思うが、実際には結構、注目されていて、いくつかの実業団から声がかかっている。
そうなるために、高橋尚子は人一倍努力していた。
高橋は、4年間を通して、大学のトレーニングルームをフル活用していた。ほとんど毎日のようにトレーニングルームを利用しており、閉館する午後8時までをここで過ごした。そしてウエイトトレーニング、補強等を勢力的に行っていたのである。
このこと1つをとっても、当時から(いやもっと前から)努力家であったことが伺える。
大学時代の高橋尚子の写真が時々、掲載されている。
今よりももっとふくやかで、別人のようだ。
卒業してからは、さらに走り込んで身体を絞った。
ただし、著者はあまりに早い時期に身体を絞り込むことの危険性について書いている。高橋尚子は、大学生の時には無理して絞らない(といっても、もちろん一般人と比較すると、はるかに痩せているのですが)ことが、その後、ランナーといては比較的、年をとってからも活躍出来る身体であったのかもしれない。
この本を読むと、努力もしないで「足が遅ーい」と嘆いていた自分が恥ずかしくなる。