読書:リクルートのDNA

「リクルートのDNA」江副浩正・著。
リクルートのDNA

Webの仕事をするようになって、リクルート出身の方に出会う機会が増えた。
起業された方、個人事業主としてフリーで仕事をされている方、様々である。

「元」ということは、今はリクルート社員ではない。
元来、独立心が強くてリクルート社を選んだのか、そこに身を置くうちに独立心が芽生えるのか、いずれにしても皆さん「何かおもしろいこと」を探そうとするエネルギーがある。

そういうリクルートって、いったいどんな会社なの?

私が学生の頃、就職することを「リクルート」と言った。それだけ、その就職誌の印象が強烈であり、就職のために髪を切ることは「リクルートカット」と呼んだ。

当時、サーファーが人気で、今はメタボに悩む我々世代だが、当時は髪を伸ばして、真っ黒に日焼けして街を闊歩した。それがある日、突然「リクルートカット」となるわけ。

まだ「フロムエー」はなく、「とらばーゆ」は創刊されていたようだが、転職は特別な時代だった。この雑誌によって転職のことを「とらばーゆしちゃった」なんて言うようになったのだから、影響力は大きい。

私にとって最も強烈な印象のベンチャー企業はリクルートだと思う。転職に対する考えを変え(転職が自由に出来るようになり)、大学の就職窓口以外にも、雑誌で就職の市場を開拓した功績は大きい。そして社員が株を持ち、経営に参画するという考え方は非常に新しいと思った。

あれよあれよという間に、銀座に本社ビルを建てるまでに成長した。そして江副さんは、政治家にも大きな影響力を持ってしまう。栄光と挫折を味わったのだ。

その江副さんが考える「成功する事業家の20か条」は、理路整然とまとめられている。そして自分に対して厳しい江副氏の姿が見える。