著者は、あの「白洲次郎」の奥さんで随筆家。
表紙の写真は祖父・樺山資紀氏に抱かれた幼稚園の頃の著者。
最初の章に、薩摩藩士であった祖父の、若い頃のエピソードが述べられている。白洲正子は東京生まれだが、父方、母方どちらの祖父も薩摩藩士であり、自分に薩摩隼人の血が流れていることを、エピソードを交えて書いている。
とにかく、文章が小気味よい。
明治から平成へと、文字通りに駆け抜けた女性である。
華族という恵まれた境遇に生まれたことで、14歳でアメリカ留学をする。そういったことから、早くから海外へ目が向き、戦争に対しても、自分の経験から思うことを歯に衣着せぬ文章で書かれている。
この人の、他の本も読んでみようと思う。