今月の歌舞伎座は、「歌舞伎座百三十年 芸術祭十月大歌舞伎 十八世 中村勘三郎七回忌追善」です。
まだ30分以上ある。どうしよう。歌舞伎座のまわりを歩いているとドトールコーヒーがある。席が空いてる。そちらでお茶して、歩いてきた疲れをいやしまして、16時に歌舞伎座へ。
オオオ! 十八世 中村勘三郎の写真。生きてるみたい。イヤホンガイドの話によると57歳で亡くなったそうです。今の私の歳。早かった。もっともっと観たかった。
今日のお席は、1階15列4番。花道のすぐそばです。
1.宮島のだんまり(みやじまのだんまり)
傾城浮舟太夫実は盗賊袈裟太郎:中村扇雀
大江広元:中村錦之助
短い演目です。その中に大勢の役者さんが揃って豪華。
見えてるけど「見えていない」と思い浮かべながら見るというのも歌舞伎らしい演出。
華やかなまま終了。豪華でした。
扇雀さんは初役だそうです。
この幕間に写真を買いに行きました。玉三郎を4枚。これが楽しみでして。
2.義経千本桜 吉野山(よしのやま)
今日のお目当てです。
佐藤忠信実は源九郎狐:中村勘九郎
静御前:坂東玉三郎
早見藤太:坂東巳之助(亡き坂東三津五郎さんの息子さん)
今日の席は花道のすぐ横。玉三郎をアップで観ます。歳をとるのを忘れちゃったんじゃないかと思うほど、若々しく美しい。吉野山は何度観ただろう。様々な役者さんの様々な演技を観てきた。それでも、やっぱり玉三郎は素晴らしい。
そして、勘九郎も頑張ってますね。お父さんの追善で良い演技をしています。
坂東巳之助さんは三津五郎さんの息子さんでしたか。こちらも楽しみな役者さんです。こんなに大きくなっていたのですね。
私の席は横に6席あるけれど、どうやら全員が一人で来ているようです。熱心な歌舞伎ファンですなぁ〜。
3.助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつざくら)
三浦屋格子先の場
花川戸助六:片岡仁左衛門
三浦屋揚巻:中村七之助
白酒売新兵衛:中村勘九郎
朝顔仙平:坂東巳之助
三浦屋白玉:中村児太郎
髭の意休:中村歌六
母満江:坂東玉三郎
豪華絢爛。しかしながら玉三郎は揚巻ではないのです。揚巻は七之助。初役。立派に演じてましたよ。玉三郎は満江(まんこう)役。助六の母です。玉三郎の出番は最後の方にわずかだけ。
その前に仁左衛門がみせますねぇ〜。素晴らしい。
七之助も頑張ってるが勘九郎が良い。飄々と楽しい演技。見るたびに立派になっている。でも、仁左衛門さん相手にはまだまだこれからでしょうか。頑張って欲しい。
福助の息子さん、児太郎さんも美しい。お父さんが復活されたから襲名披露も近いでしょうね。そして、髭の意休の歌六だ。憎らしいほど上手い。
最後の方で、いよいよ玉三郎の登場。笠を目深にかぶって出てくる。立ち居振る舞いですぐに玉三郎とわかるのは凄いことです。最後は花道を帰ってゆく。私は小さな声で「玉三郎」と声を出してしまった。もっと大きな声で伝えたいと思いつつも勇気もない。良い演技でした。
助六はおおよそ2時間、休憩なしに進みました。終わったら、ホウっとため息とも何ともつかぬ息をした次第でして。
イヤホンガイドの説明で知ったのだが、「助六」は演じる人の「家」でタイトルが違うのだそうです。
市川團十郎は「助六所縁江戸櫻(すけろく ゆかりの えどざくら)」。
片岡仁左衛門は「助六曲輪初花櫻(すけろく くるわの はつざくら)」。
松本幸四郎は「助六曲輪江戸櫻(すけろく くるわの えどざくら)」。へぇ〜〜〜。
巳之助さんは全ての演目に出演されてました。若いからいけちゃうんですね。素晴らしいね。