アメリカ行きの飛行機の中で映画・不都合な真実を見た。
アメリカの元副大統領・ゴア氏による「地球温暖化問題」に関する映画だ。科学者の調査による「現実」の資料。また、「予測」ではなく「計算」ではじき出した未来。ゴア氏が世界じゅうを回って、この問題の深刻さを説いている。「地球温暖化問題」はかくも深刻な事態になっているのか。この映画を見るまで実感としてなかった。是非、見て欲しい。
この映画の1シーンに、世界じゅうの沿岸部分が海に沈んでしまうという科学者による報告を映像化した箇所がある。温暖化により、北極の氷が溶け出し、やがて海面が6m上昇する。NYのマンハッタン・世界貿易センター跡地も沈む。フロリダも沈む。ならば、私の実家(海のそば)も沈んでしまうだろう。魚町だけではない。気仙沼の民家の多くが沈む。しかも、これはそう遠くない未来の話だ。
不都合な真実ページを開き、Flash画像を見て欲しい。
その映像が目に焼き付いて離れない中、日本では大雨が降った。実家は床下浸水。おかげさまで大事には至らなかったが、母が言うには、「ご近所がまるで海の中にゆっくりと沈んでいくようだった」と言っている。津波のような激しさがないものの、ゆっくりジワジワと水かさが増えていく様は、言いようのない恐怖だったようだ。
それはまるで映画で見たシーンと同じだ。静かに、そしてジワジワ海に沈んでいく。
帰りの飛行機では映画「ポセイドン」を見た。豪華客船が波にさらわれ沈んでいく。
その数日前に、気仙沼の大型サンマ漁船「千代丸」が女川沖で遭難し、一人の死者と15人の行方不明者の記事を読んだ。それだけではなく、日本各地で船が波にさらわれたとネットで読んだ。映画に現実を重ねてしまう。
「地球温暖化」により、過去に経験したことのない、未曾有の大雨、突風、逆に水不足などなど、想像を超えた被害が拡大している。
気仙沼のサンマ船はベテランの漁師達による「稼ぐ船」だった。雨に対しても「過去の経験」を働かせて航海したに違いない。しかし、「気象」に過去の経験は通用しなくなった。
この問題に対して、私達がすぐに出来る事は何だろう?
考えても見て欲しい。私が18歳で上京した1979年当時の東京では、大学生が住むアパートにエアコンがないのは当たり前だった。今はどうだ? エアコンは当たり前で、近頃では気仙沼でさえ夏に冷房を付ける有様だ。夏は暑すぎる。おかしい。
一人が何かをするだけではダメだ。地球上の人間全員がするべきことは何だろう?
「クールビズ」はブームで終わってはいけない。「クールビズ=ノーネクタイ」ではなく、半袖と短パンでいいくらいの、そのことで冷房を付けなくても済むほどの、もっと大きな改革をしなくては、地球が危ない。
気仙沼のサンマ船には、母の知人で、車いすに乗るようになった私の父を、山形の温泉にも連れていってくださった方が乗船しており、いまだ行方不明です。そのことを思うと胸が痛みます。