読書:愚直論

「愚直論-私はこうして社長になった」樋口泰行・著。
愚直論

日本ヒューレットパッカード社長になった時に書いた本。現在はダイエーの社長。ハーバード大学でMBAを取得した超エリート。

こういう人とアタシでは、頭の出来が違うわい、と思って諦めたくなるが、ところが、樋口さんも「英語」に苦しみ、アメリカでは死にものぐるいでがんばったことを隠さずに書いている。転職した後の「ボストンコンサルティング」では、寝ずに働いて倒れたこともある。こういう人も、これだけ努力をしているんだと思うと、私などは、なーんにも努力してないよなー。

樋口さんのえらいところは「あきらめない」でがんばる姿勢。「逃げ出さない」こと。
大学卒業して入った「松下電器」では、上司から「T字人間になれ」と教わる。「すなわち、T字の縦棒(強みとなる領域の深堀り)と横棒(幅広い知識や人脈)をバランスよく伸ばすことが社会人としての成長につながるという考え方だ。」いい言葉です。

樋口さんはアップル社に在籍したこともある。Performerの担当などをしていたようだ。

最近の姿はダイエーの店頭で林会長とともにお客様を相手にしている姿だ。林さんのフレンドリーな態度と樋口さんのどこかぎこちない態度のコントラストがおもしろいなーと(おもしろいとは失礼だけど)思ってみている。

こういう人達が支えているのなら、ダイエーという会社は立派に再生していくのかもしれないと思う。

読書:9タイプ・コーチング

「9タイプ・コーチング」安村明史・著。
9タイプ・コーチング

「EC=エニアグラムコーチング」とは、相手の気質に合わせたコーチングのスキルである、と書いてある。人は大きく分けると9つのタイプがあり、それに応じたコーチングをしていくことで、活き活きと生きていくことが出来る、としている。

さて、私は何タイプか?
こちらに「エニアグラムタイプ診断」(アンケートのようなもの)がある。
アンケートに答えるようにチェックを付け、最後にメールアドレスを入力すると、タイプと「注意点」などを書き添えたメールが送られてくる。自動的にメルマガにも登録されるようだ。
やってみた。えっ、意外。。。そうだったの?

読書:ロウアーミドルの衝撃

「ロウアーミドルの衝撃」大前研一・著。
ロウアーミドルの衝撃

大前氏の本は2冊目。これはおもしろい。
二極化が進んでしまった日本。その大半はロウアーミドルという中流の下の階層である。けれど「ロウアーミドルが多いのが悪い」ということでもない、という発想の転換。収入が減ったとしても、物価が安くなれば、それは結果としては変わらないのだ。
それよりも、「大きさがそろった苺を買う」という日本人の、妙な慣習を捨て去ることで、物価はさらに下げられる。日本は収入が下がったとはいっても、世界的に見れば高収入である。日本人一人ひとりが改革者になるべきだと言う。

現在の政府に対して「古いものを壊すだけでは、新しいものは生まれない」と言う。「小泉さんを批判していない」としつつも、そこに足りない点をあげる。
「21世紀は、国よりも地方、地方よりも企業、企業よりも個人が主導権を取る時代なのだ」
そして、「次期首相に物申すべき4つの核心」をあげている。
大前さんが政治にたずさわったら、どのように改革をなすのだろうか?見てみたい、と思った。

読書:脳が若返るメモする習慣

「脳が若返るメモする習慣」米山公啓・著。

私が読んで良かったと思う本を社員に貸し、社員が読んだ本を私が借り。
この本も社員から借りた。

「書く」ことで脳が動き、夢に近づく!

書き続けること。
旅に出たら書き、本を読んでは書く。失敗したら反省を書く。
ブログもよいし、手帳でもよい。形式は何でもいいのだ。ただ書いてるだけではなく、時々、読み返すのが良い。
ここのページを書き続けることも、「脳」には良いかも。

読書:「へんな会社」のつくり方

「へんな会社」のつくり方」近藤淳也・著。

「立ったままの会議」とか「会議をインターネットに公開」とか「毎日、席替え」など斬新な仕事の進め方をしている「株式会社はてな」の創業者が書いた本。私は「はてな」が株式会社になる前に「はてなアンテナ」を誰からか紹介された。当時は他にも同様のサービスが、どこかの個人によって無料で展開されていて、特別に新しいという感じはなかったが、他の人達がそのサービスを止めてしまう中、「はてな」はドンドンと成長していった。そのアイディアの基が、ここに詰まっている感じ。
すでに情報が公開されているし、TVでも見ていたので、新発見はないかなと思っていたところ、最後に来て、「はてな社屋(構想)」や、「風車プラン」はおもしろい発想だと思う。
この人なら、実現しちゃうかもしれない、と思わせる何かがあるなー。すばらしい。

読書:指導者の条件

「指導者の条件」松下幸之助・著。

まるで隣に松下幸之助がいて、私にやさしく語ってきかせてくれるような、そんな文章だ。
ちっとも高圧的ではなく、そして読みやすく、心にすーっと染み渡る。
どの項目も、日本や中国の歴史上の人物の逸話から始まる。その量の多さに、松下氏が読んだであろう膨大な読書量を思う。
何度でも読みたい本だ。
それと、歴史小説なども読んでみたくなった。

読書:2分以内で仕事は決断しなさい

「2分以内で仕事は決断しなさい」吉越浩一郎・著。

社員から借りて読んだ。
その社員は、この本を読んで、禁煙を決断し実行している。影響力あるなー。
禁煙に関する部分はほんの4ページにすぎないが、いかに「喫煙が無駄か」ということがバシっと心に響いたのだろう。
著者は、トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社・代表取締役社長。

吉越さんについては、大久保隆弘・著の「早朝会議革命」を読み、「会議の進め方」に感銘した。ご自身の手による文章も、スピード感があり、ズンズン突き進む様はすばらしい。

トリンプでは、入社試験の段階から反応のスピードを重視しています。反応の遅い人に入社してもらっても、お互いが不幸になるだけ。会社にとって足手まといになるし、本人もきっと楽しくない。

(IT企業はどこもそうだと思うが)私もスピードを重視していて、上記のように「不幸になる経験」をつい先頃、経験してしまった。「反応の良さ」を見抜くところ、他にも多々、参考にしたい。

読書:起業の黄金ルール

「起業の黄金ルール」浜口直太・著。

著者は、株式会社JCI・代表取締役。学校の成績はサッパリ良くなかったという著者が、日本の大学を卒業後アメリカに渡り、コンサルタントという仕事に就く。
副題に「凡人でも上場できる!」とある。だが、大半は「起業」について書かれているので、起業してみようかと思ってる方には参考になるかと思う。

コンサルという仕事を通して語られる言葉は、参考になることは多い。しかしながら、いやいや、それほどうまくもいくまい、と思う点もある。私の持論は、「起業はそれほど大変じゃないけど、継続は難しい」であり、むやみに人に起業を進めない。が、「起業することを決めた人」には、私の失敗談などをお伝えし、応援したりしている。

読書:一生懸命って素敵なこと

「一生懸命って素敵なこと」林文子・著。

ダイエーの代表取締役会長兼CEOに抜擢された林さんの著書。TVで何度か拝見していて、前から気になっていた方。
「女性初」という冠がいくつもある。女性初のフォルクスワーゲン社長、BMW社長、他にも多々。

きっとエリート中のエリートだろう、と勝手な先入観を持っていた。意外にも林さんの学歴は高卒だ。都立青山高校卒業後は大手企業のOLとして働く。

林さんは昭和21年生まれで、私の15歳年上。
その当時のOL生活は、私達の短大卒のOL時代となんら変わらないことに驚いた。

女性の仕事は、お茶くみと掃除とコピー取りがメイン業務で、数年、働いた後は社内の人と寿退社することが定番。えー、まったく同じジャン。

林さんは、そんなOL生活に満足しなかったんですねー、何かが違うと思って、いわゆる結婚ではなく転職という道を進む。

今も月に一度はダイエーの「朝市」で実際にお客様と接しているという林さんによって、ダイエーは再生するに違いない、そういう印象を受けた。

林さんが最初に着手したことは、

私がダイエーの会長となって真っ先に取り組んだのは、全国のダイエー店舗を視察し、必要に応じて労働環境を改善することだった。(中略)具体的には、店舗の従業員専用のトイレをきれいにすることから手がけた。

こういう視点は、女性らしいと思う。特に女性の多い職場では、こういうことが「やる気」に直結する。男性がトップにいる間は気がつかないかもしれない。

林さんが最初に社長に抜擢された時に「なぜ私でしょうか?」という質問にフォルクスワーゲン・ジャパンのイギリス人社長は

「うちの社員をぜひ幸せにしてください」と言われる。私は、「クルマをもっと売ってほしい」ではなく、「社員を幸せにしてほしい」と言われたことに感動した。

それっすよね。ウルウル。私の経営理念も「ハッピーライフ」でござんす。

それにしても、社長という仕事は面白い。これほど面白い仕事はない。なにしろ、すべての責任は自分一人にかかってくる。プレッシャーも大きいが、やはり喜びもそれだけ大きい。社長業はプロデューサーでありディレクターであり、まさにコーディネーターでもある。社長がオールマイティである必要はない。それぞれ社員の持つ得意技を集めて、組み合わせてやっていけばいいのだ。そして、社員のみんなが働きやすい環境を一生懸命つくってあげればいいのである。

読書:ウェブ進化論

「ウェブ進化論」梅田望夫・著。

ブログとかPodcastとか、そういったことを総称して「Web2.0」と言われている。それは、その世界にいる人間にとっては、すでに感覚として捉えていることだが、いかんせん、そうでない方々に「これ」と伝えるのは難しい。
それを「こちら側」と「あちら側」という言葉で表現する。わかりやすい。
「あちら側」を説明するためにグーグルという会社を出し、「こちら側」としてマイクロソフトを出しての対比がわかりやすいのだ。

著者は私と同い年。だが、私よりもはるか前の中学生時代からコンピュータに接し、インターネットに驚き、その後、シリコンバレーに移り住む。

ニューヨークにテロがあった2001年9/11を人生の折り返し地点と定義した。
「人生の折り返し」を考えた著者は、「次の世代」に向けて、いろいろな事を始める。そして、昨年からは「はてな」の取締役に就いた。
この本を読んでいると、Webの次の世界に「ワクワク感」をおぼえるとともに、私も「がんばるぞ」というような気持ちがわく。

著者のブログはこちら。