サブタイトルは「自己成長を促す77の新セオリー」
サイバーエージェント社長の藤田氏。
まだ35歳という若さで、会社は成長し続けている。
IT企業は様々に出現しては、色々な理由で消えていった中で、数少ない成功者の一人だと思う。
「はじめに」には、
経済が成熟化してから若い人が活躍するチャンスが減って来たように思えます。社会では、上が詰まっているという閉塞感、若手で活躍している人が周りにはいないという失望感が何となく蔓延しています。そんな空気を打ち破るような若手が出てきてほしい。
そういう思いからこの本を書いたそうで、想定する読者層は若い方々かもしれないが、私のような年上の経営者であっても参考になる点は多々ある。
想像するに、これは藤田氏の会社の若手社員に向けて、そしてまた、これから入社するであろう若い人達に向けて書かれたのではないだろうか? 良き指南書だと思う。
私は次の文書に藤田氏の成功の秘訣があるように感じた。
自分の経験から。サイバーエージェントの社員にも、創業以来、若さには注意するように言い続けています。若い社員が多いからといって、子どものサークルのような雰囲気の会社では、まともな取引の相手として見てもらえません。
そのために、
髪の毛も茶髪にはせず、ちゃらちゃらした感じに見えないような角刈りに、スーツもわざわざダブルを着て、老けて見えるように演出しました。
コミュニケーション能力などと言いますが、そんな事より仕事は「交渉術」なのだと思います。
それについては、
大概、交渉慣れをしている人というのは、最初から一気にゴールを目指すようなことはしません。相手が譲歩出来る部分を探り、それを利用しながら、むしろ、回りくどく感じるほど、ゆっくりと目的に近づいていきます。
若い人にもわかりやすい文書。
プレゼンについては、
プレゼンテーションで一番大切なのは、自分ではなく、聞き手にたくさんしゃべらせることです。
集中力については、
詰まるところ、集中するとはいかに1つのことにのめり込めるかというより、いかにそれ以外に気を散らさないでいられるかが問われるのです。ほかのことを切り捨てる能力の差が、すなわち集中力の差となって表れているのです。
そして、私のような年長者には、
「若手から良い案が出てこない」と愚痴っているベテランこそアイデアを出すべき。
その通りでございます。
文書は読みやすいので、若手はもちろん、ビジネスに行き詰まっている我々世代も読んでみると、なにかしらのヒントになりそうです。読んでいて楽しくなりました。