読書:俺は、中小企業のおやじ

「俺は、中小企業のおやじ」鈴木修・著。
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鈴木氏は「スズキ」の会長兼社長。
押しも押されぬ企業だが、鈴木氏は「浜松の中小企業だ」と言う。

大企業病になってはいけないという気構えなのだろうと思うが、親しみやすい人柄が出ていると思う。

銀行を辞めて、当時の鈴木自動車工業に娘婿として入社した鈴木氏は、

オートバイの生産工場に行って大変なショックを受けました。工場といっても木造平屋、いや、そんな立派なものではなく、むしろ掘っ立て小屋といったほうが正確でしょうか。

そして3ヶ月の工場研修を終えると「企画室」に配属になる。
すると「企画室との戦い」という章で、

私も若かったですから、そこでかなり暴れました。

そういうことで、社内かの各方面から恨みを買い、飛ばされて行く。まぁ、そんな事にへこたれる鈴木氏ではないから、あらゆる成果をあげていく。

インドでのスズキの躍進はすばらしいものがあるが、そのきっかけもちょっとした出会いから始まるわけで、鈴木氏の人柄であったり、スピード感、そういったものが功を奏している。

本の中にはいくつもの心に響く言葉がある。
「会社存亡の危機も、商品の寿命も、25年周期でやってくる」
「杉の木は雪の重みで折れるが、竹は折れない」
「GMは鯨、スズキは蚊。鯨に飲み込まれずに高く舞い上がれる」
「ビジネスは深く静かにやるのが理想」
「トップダウン・イズ・コストダウン」

もっともっと、たくさんある。
1冊まるごと、良い言葉の宝庫のような本。