笑顔のうらに

10/14から12/2まで、実に8週に渡ってマラソン大会に出場した。バカです。

私の場合「大会はみんなで走る練習」という気持ちで望んでおり、楽しんでいる。給水ポイントは的確に配置され、距離は正確にわかる。一人じゃないから、なんとかゴールしようとがんばる。いい練習なんですわ、これが。

でもまぁ、さすがに日曜のたびに早起きして大会に出るのはそれなりに大変でもあり、本日の日曜は久しぶりに予定がない。

そこで、ゆっくり走ることにした。
新中野の自宅を出て代々木公園に行き、それから渋谷方面に向かうと人が増えてきたので、逆戻りしてさまよい、山手通りに出て松濤をさまよいながら走った。2時間半ほど。

代々木公園付近で、ベビーカーを押す若いご夫人とそのまわりを取り巻く若い女性6人くらいとすれ違った。狭い道なのでちょっと邪魔。ベビーカーのご夫人は笑顔が華やかで、きっとこの辺に住むセレブに違いない。
お子さんにも恵まれ幸せいっぱいという笑顔だワン。

「すみませーん」と言いながら通り過ぎようとして、チラっとベビーカーをのぞいた。その瞬間ハッとして息をのんだ。知的障害のお子さんだった。

そのご夫人の笑顔の裏にはどれほどの涙があったのだろう? 絶望と悲しみと、いろいろな葛藤と、それらを乗り越え(いや、今も戦っているかもしれない)笑顔だったのだ。

若いご夫婦だけでどうにかなるものでもない。社会全体がこのお子さんを支えていかなければ、と思う。弱い者を助け合う社会。格差社会が悪いと言われる中、格差がどうのではなく、強い者が弱い者に手を差し伸べる、そういう事が必要なんだ。

地方はお年寄りがしめる割合が高くなってしまった。しかしながら、公共の交通手段はドンドンなくなっていく。お年寄りが病院に行くためには、より高額のタクシーを使わないといけない。そういう社会になっていることに問題がある。

そんな事を考えながら、ゆっくり走った。