読書:ひらめき脳

「ひらめき脳」茂木健一郎・著。
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ひらめきたい、のであります。

ひらめくために、何をどうしていたらいいのか、そもそも「ひらめく」って何? どうして「ひらめく人」もいれば、ぜーんぜん「ひらめかない私」もいるの?

この本の冒頭には「アハ!ピクチャー」というものが掲載されている。
「これ、何に見える?」という絵で「A Ha!(あ!)」から名付けられたという「アハ!ピクチャー」。それを最初に見せられると、うんうん唸りながら考える。時間をおいてまた見る。

その行為こそが大切らしい。脳がしっかりと働く。

ひらめきは気持ちいい!
人間が快楽を感じる時、脳の中では、大脳辺緑系にある感情のシステムが活性化しています。とりわけ、「ドーパミン」を中心とする報酬系(脳にとってうれしいことを処理するシステム)において、神経伝達物質が放出されます。最近の研究によれば、ひらめきの瞬間、この報酬系が活性化することが証明されています。つまり、ひらめきはとても気持ちのいいことであることを、脳はすでに知っているのです。

若い人に読んであげたいのは次の記載
  ↓

ひらめきのサイン
若い時の苦労は買ってでもしろと言います。もちろん、限界を超えて脳がバランスを崩しては元も子もありませんが、「苦しい」というネガティヴな感情が、時に「ひらめき」への跳躍台になることも事実なのです。

苦しい時に「あー苦しい」と思うだけではなくて、どうやって苦しさから脱出出来るかを考えることかと思う。経営者は苦しみの連続だったりするが、案外と経営者が楽しくやっているのは、一つ一つ困難を乗り越え、その時の乗り越えた快感が楽しいのかもしれない。

年齢を重ねている我々世代に嬉しい言葉はこちら
   ↓

体験 × 意欲
創造性は「体験 × 意欲」のかけ算で表されると言って良いでしょう。
(中略)
意欲においては、確かに若者の方が一般的には高いのかもしれません。年を取って次第に創造性が衰えてくると言われるのは、体験が増えても、意欲が低下するからでしょう。逆に言えば、高齢になっても意欲が衰えない年寄りは、最強の創造者だということになります。例えば、「芸術は爆発だ!」のフレーズが有名な岡本太郎など、何人か、晩年に至るまで最強の創造者だった人たちが思い浮かぶのではないでしょうか。

そして偶然の出会いといった意味での「セレンディピティ」について

セレンディピティを起こすための六つの条件を揚げておきましょう。
行動、気づき、観察、受容、理解、実現

そして、やっぱり「1パーセントのひらめきと99パーセントの努力」が大切なのであります。楽しくなる本です。

この本の「読みやすさの工夫」は「あとがき」を読んで敬服した。