読書:リーダーこれだけ心得帖

「リーダーこれだけ心得帖」阪本啓一・著。

うちの会社の従業員(リーダーを務める者)から借りて読んだ。

法隆寺宮大工の口伝が引用されているところ
「堂塔の木組みは寸法で組まず木の癖で組め」
「木の癖組みは工人たちの心組み」
「百工あれば百念あり、これをひとつに統(す)ぶる。これ匠長の器量なり。百論ひとつに止まる、これ正なり。」
「百論をひとつに止めるの器量なき者は謹(つつし)み惧(おそ)れて匠長の座を去れ」
百人の工人があれば、考え方ややり方も違う。それをまとめて目標達成することがリーダーの器量であり、役目なのだ。とある。
私の目指すところが、ここの文に凝縮されているように思った。

読書:起業のネタ

「起業のネタ」森英樹・著。

「起業したいのに出来ないワケ」のうち第一位は「起業ネタがない」で、46.9%らしい。

私も起業する前に「何をしようか?」と迷った時期がある。その時期は楽しい悩みだったかもしれない。「旅行に行こうと思うんだけど、どこに行こうかしらん? アメリカもいいし、ヨーロッパもいいし、オーストラリアもいいわん」そんな感じでした。ハイ。

で、そんな時にMacに出会って(ツーか買っちゃって)、すぐに「これだ!」と直感した。なにが「これ!」なんだ、って感じですけど(笑)

本の中でも「ネタはそこらじゅうにある」という事を何度も強調している。

起業ネタが見つからない方は、読んでみるといいかも。
「起業」は私にも出来ちゃったんだから誰でも出来ると思う。難しいのは、「起業した後」なんだよね。うん。

読書:経営者の教科書

「経営者の教科書」江口克彦・著。

松下幸之助氏の下で22年間仕事をした著者(現在はPHP研究所の社長)が、経営者としてどうあるべきかを示した本。

「経営は勝てば官軍ではなく、勝ち方の美しさが大切」(経営の美学)
「方針を明確にすること」
「方針を出すうえでは、3つの要素に分けることである」
  1.考え方(基本理念)
  2.具体的目標
  3.夢(理想)
「経営者に欠くことのできない条件は、
  体験、経営的な知識、見識、意思決定の力、実行力、勇気そしてカンだ。
  カンの働かない経営者は一流とは言えない」
「松下幸之助は創業十年くらいの町工場といった頃から、”松下電器は物をつくる前に人をつくる会社” だと言い続けてきた。」
「部下を育てるポイントは4つある。
  1.部下にものを尋ねるということ
  2.方針を明確に示すということ
  3.権限を委譲するということ
  4.感動させるということ」

ここに書ききれぬほど、感動的な言葉が随所にある。

松下氏の名言は多くの本に記されているのに、私の想像とは違って、意外にも「雄弁ではなかった」そうで、普通の言葉でも心に響く言葉はあるんだね。そうして「誉め上手だった」そうな。
松下氏に誉められたら、きっと皆もやる気がいっぱい出るだろうな。

私は誉め上手だろうか?
人の話をちゃんと聞けているだろうか?
そうして、方向を明確に示しているだろうか?
答えは「否」だ。日々、これ精進ですな。

読書:ハワイプチ富豪の成功法則

「ハワイプチ富豪の成功法則」ヒロ・ナカジマ・著。

(ハワイに行った事がないんだけど)いつかハワイに住んでみたいな~と漠然と思っている。
ハワイは「英語圏(日本語が通じる場所も多いらしい)」し、「日本への直行便が毎日ある」し、「暖かい」し、いいよね。
そのハワイにプチリタイアして住んでいるヒロさんが書いた本。

生活のために働く「ラットレース」から抜け出したのは34歳という若さ。「4つの自由」を手に入れた。著者が言う4つの自由は「時間の自由」「場所の自由」「経済の自由」「行動の自由」である。
今は、ハワイで「カイトサーフィン」を楽しむ生活らしい。

そこだけを聞くと、ただただ羨ましい限りだが、それまでの苦労がある。
子供の頃の父親の事業の失敗、日産工場にて働きながらの高校生生活(そして寮生活)。「4つの自由」を手に入れるために、可能な限りの節約生活。
単身でオーストラリアやフィジーに渡り生活を始めたり、ニューヨークで仕事を始めたりと「こうと思ったらやってみる」の手本のような人。

私は、これまた漠然とではあるが、50歳になったら今の生活をすっかり変えようと思っている。50歳って、もっと先かな~と思っていたら、気がつくとあと6年しかないワン。

読書:忙しい人の即効!勉強術

「忙しい人の即効!勉強術」臼井由紀・著。

私の2学年上の著者は、短大を卒業し、そしてフリーターをした後、33歳で結婚する。当時の女性は、短大卒の方が就職に有利だったし、良い方と巡り会って結婚するのが一般的だったし、結婚するために仕事を辞める「寿退社(ことぶきたいしゃ)」が普通だった。

ところが結婚3ヶ月後にご主人が病気になり、「株式会社健康プラザコーワ」の、にわか経営者になる。

ひょんな事から経営者の立場になり、これではいけないと勉強し、難しい資格を次々と物にするから、すごい。

例えば、健康医科学博士、MBA、理学博士、宅建、行政書士、そして英語。「英語を英語のまま聞き取れるようになったのは、本格的に英語をマスターしようと思い立って1年経たない頃だったと思う。おそらく10ヶ月ぐらいの頃。」とにかく・すごい。
特に著者は、私とは違って病気のご主人をかかえる主婦という立場もこなしている。「私には子供がいないので」と書いてはいるが、家事もする。

朝食を作る合間の勉強法などは、頭が下がる。
「自律神経が…」なんて言って寝込んでる場合じゃないね。

あとがきに、今年(2005年)元旦にご主人が亡くなった事が記してあった。まだまだ辛い時期だろうに、前向きに生きている。それもまたすごい・すごい。

読書:英語ができない私をせめないで

「英語ができない私をせめないで」小栗左多里・著。

ダーリンは外国人」でおなじみの著者が書く本。「ダーリンは外国人」は読んだことがないが、まぁ、外国の人と結婚していれば、なにかしら外国語が出来るに違いあるまいと思っちゃうよね。
ところが、全然、出来ないらしい。ダーリンが日本語がバリバリ出来ちゃうので必要ないらしい。で、四苦八苦する様がマンガを交えて、おもしろおかしく書いてある。トホホなのね(笑)
普段、マンガは全然読まないが、このくらい混じっているのも楽しいね。

思うようには英語は上達しない。来年への目標として、英語をやらないといかんと思っている。プログラムの習得もままなったないのだが、WWDC(Macの開発者向けカンファレンス)に日本語の同時通訳がつかなくなったそうな。それは大変だぁ~ね。

読書:人は仕事で磨かれる

「人は仕事で磨かれる」丹羽宇一郎・著。

著者は伊藤忠商事の会長(前社長)。
テレビで初めて丹羽さんを見た時には、あまりに「普通の小父さん」で驚いた。
我々世代(1980年頃)の伊藤忠商事は、就職人気ランキングでトップを争う商社だった。バブル以降はどこの商社も苦戦を強いられているようだが、我々世代は「商社」にあこがれを持つ者も多いはず。
その伊藤忠商事の社長の丹羽さんには「社長の風格」が、正直言うと感じられなかった。

さらに驚いたことは、その「普通っぽい出で立ち」からは想像できないような、歯に衣着せぬ物言いである。
テレビ朝日・サンデープロジェクトの田原さんとのやりとりで、田原さんのするどいつっこみに、スパッと応える。気持ちよい。

丹羽さんは、社長になる時に「任期は6年」と公約した。
「6年たったらタダの小父さん。そうなることがわかっていますから、最初からタダの小父さんの生活を続けないとまずい。贅沢な生活をしても、任期が終わったらその生活をやめなくてはいけないわけです。」ということで、社長の間も電車通勤を貫いた。

丹羽さんの家は、都心から離れているらしい。いわゆる、普通の通勤をするわけで、もちろん通勤ラッシュもある。
「運転手つきの車のほうが居心地はいいでしょう。でも社員はみんな満員電車に揺られて通勤しているんです。その目線からずれてはいけない。」

「たとえば電車通勤すると言ったなら、雨が降ろうが槍が降ろうが電車で出勤する。(略)これを陽明学では「知行合一」と言います。」
「また、孔子は「食」(=食料)と「武」(=武器)と「信」(=信用)を治国三要と言っています。このうち最初になくなってもいいものは武器です。次は食料です。最後に残さなければならないのは信用だと言った。「信なくして国立たず」というわけです。同じように信なくして会社は立ちません。つまり経営者が社員の信頼を得られなくては、会社は成り立たないということです。」

わかりやすい言葉。それでいて核心をズバっとくる。

そして繰り返し言ってるのは「クリーン、オネスト、ビューティフル」で、「こうした倫理観の骨格になるものは、武士道精神だと私は考えています。」と繰り返す。

丹羽さんは、「日本は島国で同じような民族、同じような文化の中でずっと生活してきたわけです。同じような価値観を持っていることが前提にありますから、突出した金持ちの存在を受け入れる素地が出来ていない。」と書く。そうかもしれない。
「二極分化して低所得者層が増えたら、中間層が減って個人消費も落ちるでしょう」という考え。中間階級が増えた時代の日本はとても豊かで、街は安全で、美しかったように記憶する。そしてなにより、多くの人がイキイキとしていた。

「エキサイティングな会社にしよう」エキサイティングな会社とは「まず、儲かっている会社、そして次に、儲かった分を分配してくれる会社ということです。」この考えは私も同じ。

そして具体的には「年収のうち一定比率を固定給(月給)、残りを変動給(ボーナス)にして、成果と実績に応じて支払うという形です。」(たまたまだが)現テレパスと同じ体制をとっている。私は何度も悩み迷いながら、この方式を提唱し、それでも春の昇給時には「これが正しいのか?」「テレパスに合っているのか?」と悩む事が多いけれど、この部分を読んでおもわずニヤリとした。同じだ(固定給の額は違うんですけどね)。

「見える報酬」と「見えざる報酬」
見えざる報酬というのは、「自分の成長です」という。「人は仕事によって磨かれる。仕事で悩み、苦しむからこそ人間的に立派になるんです。」

「武士道に学べ」では「家庭や学校で初めに教えなければならないのは儒教の五常「仁・義・礼・智・信」です。」

戦前/戦後の教育で大きく変わったのは、「週休2日」とか「ゆとり教育」ではなく、この部分ではないかと私は思う。私が子供の頃の先生は戦前の教育を受けた人がほとんどだったから、文部省が言わずともこういう教育があったのかもしれない。家には明治の教育を受けた祖父母もいる。それが終戦によって混迷し、そしておかしくなったように思う。

「十年後、役員の半分を外国人と女性に」というテーマがある。賛成!
大手企業の役員には女性がほとんどいない。おかしいよね。だって消費は女性で成り立ってるケースが多いのにさ。

ところで、ブックカバーをはずして見てほしい。そこには「汗出せ、知恵出せ、モット働け」と書いてある。これは「ある一流企業の社長室かけてある額に書いてある言葉だそうだ。「社員のいるフロアではなく、社長室にかけてあることに意味があるのです。社長室を来訪するような経営のトップこそモット働けと社員が背中を押しているように感じました。」

随所に心を打つ言葉が多くこの文書が長くなってしまった。ここに書ききれない大事な言葉は本を読んで、感じ取って下さい。

読書:吾人の任務

「吾人の任務」堀義人・著。

株式会社グロービスの代表・堀氏の著書。
先月「人生の座標軸」を読んで、その熱き思いに魅せられた。
グロービスを創立するにいたった経緯が熱く語られていて、読んでいてパワーが伝わる本。

「吾人の任務」はもともとは祖父が書いたエッセイの表題だった。「25歳の祖父が自分のミッションを明確に定義」し、それを読んだ孫の脳裏に強く残り、幼い頃から「常に自分の任務とは何かを考えた」ようだ。

著者の父上が趣味の「フェアレディ」のページを立ち上げている。自分でデジカメで撮影し作っているとのこと。

読書:原稿用紙10枚を書く力

「原稿用紙10枚を書く力」齋藤孝・著。

弟からの勧めで読む。
目次を読むだけでもグッとくる。
  ・書くことはスポーツだ
  ・書くことは考える力を鍛える
  ・「書く力」とは構築力である
  ・文体を身につける

「書くことはスポーツだ」の章では、「原稿用紙に10枚を書き続けること」とある。マラソンのトレーニングと同じで、マラソンもいきなり42km走れるわけでではなく、毎日5km走り続けることから始まるのと同じ。

何にでも言えるよね~。
最近私は「ちょっと忙しくて」と言い訳を見つけて、持続力が足りないワン。

「文体を身につける」の章では「書くことは、吐き出すよりは、エネルギーを溜める。考えを溜めて、自分の中の内圧を高める行為なのである。」なるほど~。