今月も玉三郎が出る! しかも片岡仁左衛門さんと一緒に演じる。ということで「夜の部」に参ります。
今日のお席は「桟敷席・東3の二番」。お隣も女性。
一、婦系図(おんなけいず)本郷薬師縁日、柳橋柏家、湯島境内
泉鏡花・作、成瀬芳一・演出
早瀬主税:片岡仁左衛門
柏家小芳:中村萬壽
掏摸万吉:中村亀鶴
古本屋:片岡松之助
坂田礼之進:田口守
酒井俊蔵:坂東彌十郎
お蔦:坂東玉三郎
悲しいお話だ。一幕目は玉三郎さんの出演なし。仁左衛門さんも下を向いて謝っている。彌十郎さんが良い味です。「俺を棄てるか、婦(おんな)を棄てるか」って、そんなぁ、ねぇ。仁左衛門さんは昭和54年に歌舞伎座で演じたがのが初演。今回は6回目だそうだ。玉三郎さんは昭和58年に演じて、それから31年ぶりのお蔦。仁左衛門さんとは初演とは意外。別れたくないのに別れなきゃいけない。「この「湯島境内」の場は元々の原作にはなく、劇化されて以降に鏡花自身により戯曲として書き下ろされた、抒情あふれる名場面。主税とお蔦の切ない別れが時代を超えて胸を打つ」と書いてある。悲しい話です。
二、源氏物語(げんじものがたり)六条御息所の巻
竹柴潤一・脚本、坂東玉三郎・監修、今井豊茂・演出
六条御息所:坂東玉三郎
光源氏:市川染五郎
葵の上:中村時蔵
御息所の女房中将:上村吉弥
左大臣家の女房衛門:中村歌女之丞
比叡山の座主:中村亀鶴
左大臣:坂東彌十郎
北の方:中村萬壽
染五郎さんが、何というか、大人っぽくなりました。 19歳ぐらいだろうか。伸び盛り。それでも今回の相手役が玉三郎さんだから緊張するでしょうね。「光源氏とその妻・葵の上、六条御息所の三者の恋愛模様を「六条御息所の巻」として新たに描きます」と書いてある。玉三郎さんが時蔵さん演じる「葵の上」に嫉妬するんですよ。そして、次第に嫉妬に狂っていく、、、。恐ろしい。
出演はないが「夕顔」も生き霊に取り憑かれて亡くなってしまう。この時代は、本当に「生き霊」なるものを信じたでしょうね。
何というか、ゾっとするお話で終了したので、ゾっとしながら外に出る。
中村桐乃亮(きりのすけ)さんを襲名。おめでとうございます。次に拝見するのを楽しみにしております!
あら、雨がパラついてきた。慌てて地下鉄の入り口へ。地下のお店は終了していた。東銀座駅から電車で帰ります。
今日は満席で、補助椅子が出ていたように見える。補助椅子はどうやって購入するのだろう?良い演目でした。