読書:YAPPA 十七歳

「YAPPA 十七歳」伊藤正裕・著。

YAPPA(ヤッパ)という会社の代表・伊藤氏は、最近あちこちによく出ているので、ご存知の方も多いと思うが、17歳で起業したという点も特筆すべき点である。

家柄もよろしく、そういうバックアップもあったのかな?なんて見ていたけれど、この本を読んでみると、17歳が経験するにはあまりにも辛い事の連続で驚いた。

高校を卒業したけれど大学進学せず、そのまま企業家の道を選ぶ。
インターナショナルスクールに通ったおかげで英語での交渉が出来る。

私が受けたインターナショナルスクールの教育で、いまも役立っていることがいくつかある。その一つは幼稚園のときに教えられたことだ。
ショウ・アンド・テル(show and tell)といって、自分の好きなおもちゃを幼稚園に持っていって、教室でみんなと輪になって座り、自分の持ってきたおもちゃの紹介をし合う。どんなおもちゃで、いつ、どこで手に入れたのか、そして、なぜそれが好きなのか、論理的に自分の言葉で説明し、友だちを説得しなければならないのだ。

へぇー、そういう遊びの中で論理思考を鍛える授業があるのですか。
日本ではそういうことは、本当の遊びの中でやっていたように思います。最近はどうなのでしょうね。

本の前半には、起業するにいたった経緯と、起業する前からさんざんだまされるエピソードが、サラリと書かれている。

これほどまでに大人が、17歳の若き企業家を騙していいのか?と憤りを感じてしまうが、騙されるのは、騙される方にもスキがあるわけで、とにかく起業というのは、そういうリスクがあるということです。起業を考えている方は、そういうリスクの具体例としておもしろいかと思います。

そういえば、気仙沼の田舎から上京することになった私に父が「東京は生き馬の目を抜くところだ」と何度も何度も語ったことを思い出しました。スキがあれば、どんな立場の人も騙されてしまう。

後半は、この当時(2005年ごろ)にYAPPAは「3D」という技術を押し進めていた時期だけに、その商品の良さについて、書いている。