読書:言われた仕事はやるな!

「言われた仕事はやるな!」石黒不二代・著.

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著者は、今年の春に上場を果たした「ネットイヤーグループ」代表の石黒さん。
上場を果たした直後ぐらいだったろうか、「石黒さんを囲む会をしよう」ということで私も呼んでいただいた。私は図々しくも石黒さんの隣の隣の席に座らせていただき、(規模は違えど)経営者同士ということで、お話を伺った。

この本から受ける印象通りに、頭の良い、そして実にサバサバとした方で、そこにいた全員があっという間に魅了された。実際にお話すると、それに「謙虚さ」を兼ね備えている点に驚く。アメリカの良い文化と、日本の良い文化が融合しているとお見受けした。

この本には書いてないのだが、家事もしっかりこなす。料理もするし洗濯もする。息子さんの子育てがある。そういう点においても、同じ女性経営者として、私は恥ずかしくなるほど、足元にも及ばない。

この本のあらゆる話が心に刺さり、そして残る。
例えばスタンフォード大学で学んだ中で、

「起業したいやつは手を上げろ」。ハイテク系の学生が多く、200人ほどいた学生のほとんどが手を上げた。彼は次に「この中で自分は起業に成功すると思っている者だけ、手を上げ続けろ」と言う。半分ぐらいの手が下がる。
次に「今、手を上げている者で、成功する理由、自分がなぜ成功すると思うかを言ってみる」と言う。ビジネスプランだ。リーダーシップだ。自信ありげな学生が叫ぶ。彼は静かに答えた。「ちがう。成功は100%運だ」。すべて運。学校で勉強ができることなど何も意味もない。会場がまったく静かになった。

スタンフォード大学の教育もまた特異なものかもしれないが、この文章を見てください。心にスッと入り込む。

ジャズバンドみたいな会社組織
ネットイヤーグループというのは、バンドに例えるとジャズバンド。オーケストラではない。譜面どおりにきちんと演奏して、オーケストラをして指揮をして、それでポイントを高めていくというようなことはない。大きな方針ぐらいは決まっているけど、後はアドリブのようなものだ。

うまい表現。
私も(きっと多くのIT企業が)同様に思っている。しかし、それを社員に伝える際に、いい言葉が見つからず、伝わらないもどかしさがある。こういう点(伝える技術)においてもリーダーとして長けている。

米国の原動力「中央集権の強い組織」と「フレームワーク」

アメリカは、トップの人間が戦略を立て、それに従って組織を作り、枠組みを作っていく。枠組みに従い組織の人は行動する。強い組織が人より優先だ。

そして、なぜアメリカはフレームワークが優先されるか、その理由へと続く。そしてまた、それをそのまま日本に導入しても、果たしてうまくいかない理由へと続く。

石黒さんはシリコンバレーで起業した経験を持ち、また日本で組織を束ねていく上で、両国の違いがわかる。アメリカのやり方が良いと思われた時代は終わったと思うが、今でもアメリカを手本にする人や書籍は多い。私はそれに違和感を覚えていて、日本人には日本人のやり方がある。この本には、両国の成り立ちの違い、慣習の違いがわかりやすく書かれているうえに、どうしたらうまくいくか、参考になる記載も多い。

どのページからもパワーを発していて、読むと元気になる本(^ー^)
是非、お読みください。
きっと気持ちが前向きになって、「こうしちゃいられない。何かを始めよう!」と思います。