読書:iPodをつくった男

「iPodをつくった男」大谷和利・著。
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サブタイトルは「スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス」

このごろ書店には、iPodの成功にちなんだ書籍が多く並んでいる。スティーブ・ジョブズに関する本は、すでに何冊も読んでいるから、周知のことも多いのだけれど、それでも気になって読んでしまいます。

この本の中で私が最も興味深かったのは「第4章 キャッチコピーから見るアップル社」。アップルの新製品発表には、すばらしいCMと、考え抜かれたキャッチコピーが踊る。英語がよくわからない私にも、それは、なんともワクワクする言葉。

今、改めてそれらを目にすると、当時がパッと思い出される。
その言葉が出た時の背景と、言葉の意味を改めて解説してくださってる点は大変おもしろい。

ずっとアップルを追い続けている大谷さんだからこそ書けるエピソードが盛り込まれていて、そういった点が他の書籍とは特色が異なるように思う。

「ネクストキューブ」の内部基盤の設計にさえ視覚的な美しさを求められたエンジニアが「いったい誰がコンピュータの中まで覗くようなことをするのか?」と反論したことに対して「僕が覗くのさ」

私ごときハードウェアには弱い人間にも、Macの(ハードの)中の美しさにはほれぼれとする。たかだかメモリを一つ追加するだけでも、それをこじ開ける時の、ネジの一つ一つまで「こんなところにもこだわっている!」という発見をして満足をする。

パッケージの美しさは多くのところで語られていて改めて言う必要もないが、そのパッケージは年々、省エネ化し無駄を徹底的に省いている点も際立っている。

そういった美しさを、ここまで、こんな裏側まで追求する姿勢が、「iPod」の大ヒットにつながっている。アップル信者にも、そうでない人にも読んで欲しい1冊。

私が最も大好きなアップル製品は「MacOS!」。
1991年にそれに出会って今日まで、漢字Talk6.0.7から(Mac OS X Betaも含めて)すべてのMacOSを使い続け、そのたびごとにワクワクしている。今は、日本でiPohoneが発売されることを待っているのだが、果たしてそれはかなうのか?・・・