私の神様・松下幸之助氏が書いた自叙伝。
本当に!小学校を4年の秋に小学校を中退して丁稚奉公する。有名な話で知ってはいたが、先日、小学校5年生と小学校3年生の甥っ子らを見たばかりなので「ああ、あのぐらいの年か」と思うと、なんとも言えない気持ちになる。夜になると寂しくて泣いたと書いてあり、私も目頭が熱くなる。
実は裕福な家庭の8番目の末の子として生まれた。しかしながら6歳の時に父親が米相場で失敗し、家が傾く。そのうえ、長兄、次兄、次姉が流行病で亡くなるという不幸が続く。
幸之助少年のえらいのは、小僧の頃からしっかりと知恵を使うんですね。それで自分で会社を起こしてからは寝る間も惜しんで働く。それでいてアメリカを見た後には、日本の大企業の中で最初に「週5日制」を導入する。グローバル化を目指して、そしてしっかり働いたら、1日は自分のために、そうしてあと1日はしっかり休むためには2日の休みは必要だと考える。
社員にもよかれと思って提案したのに、社員の方が「なにか裏があるに違いない」と言って反対するあたりは、今にして思えば微笑ましく読めるが、当時はどちらも必死であったろう。
社長を辞める時期、そして会長を辞める時のいさぎよさは実にカッコ良い。いずれも自分で考え、決断する。引き際は、端で見るほど易しいことではないはずだ。引退後、少し休んだ後は、次に社会貢献を考える。本当にすばらしい人だ。
「青春
青春とは心の若さである
信念と希望にあふれ、勇気にみちて
日に新たな活動をつづけるかぎり
青春は永遠にその人のものである」
「言うなれば、絶えざる創意工夫を通じて、無から有を生み出し、あらゆる面でよりよい想像活動を行っていくのが経営であると思う。だから、それらの経営活動が、非常に適切にバランスよく行われるならばそこに経営者の生命が生き生きと躍動した姿であらわれ、それを見る人に大きな感動を与え、すばらしい経営だな、と嘆賞されるようなものが創造されてくる。私は、経営というものは、本来このように非常に高い価値をもった芸術的行動だと思う。」
経営を芸術と考えるところ、経営者を目指す私には、やる気がモリモリわいてくる。高い志を持って生きよう〜っと。