読書:博士の愛した数式

「博士の愛した数式」小川洋子・著。
博士の愛した数式

映画になった話題作。古本屋で105円で買った。こんな買い方では作家にはお金が入らない。すみません。

小川洋子氏の本はこれが2作目か、3作目か、、、。すごい作家だ。
「彼のことを、私と息子は博士と呼んだ。そして博士は息子を、ルートと呼んだ。息子の頭のてっぺんが、ルート記号のように平らだったからだ。」で始まる。

数学を愛する博士(そして事故により記憶が80分しか持たない)と、そこで働く家政婦とその息子(ルート)。映画では寺尾聰と深津絵里が演ずるので、2人の顔を思い浮かべながら読んだ。2人とも私の好きな役者です。寺尾聰は何かの番組で「自分の代表作と言える映画に出会えて嬉しい」と言っていた。映画も見たい。105円でこんなに楽しませてもらって申し訳ありません。

この本を読むと、数学がとてもおもしろいものに思える。少し前に数学博士の藤原正彦氏の本を読んだばかりで、あーあ、学生の頃にこういう本と出会っていたら数学が好きになったかもしれないなー。

ところで、義姉と家政婦らが一歩もゆずらずに言い合いになった時に、博士はある数式をメモに書いて立ち去るというシーンがある。その数式の意味するものは何だったのだろう?

あとがきに藤原正彦氏が登場した!
ぬぁんと、小川氏は藤原氏に取材に行き、この小説が出来上がったようで、私はそういうことを知らずに2人の作品を続けて読んだことになる。