「ラスベガスでショーを見よう」という話になった。
人気のショーはすぐ売り切れるので、日本で(出発前に)予約するらしい。そんなことはサッパリ考えてなくて、行き当たりバッタリの行動で「なんとかならないかしら?」
テレパス社員がネットで「当日でも買える場所がある」と調べてくれた。しかも(当日券に限り)チケット代が半額になるそうな。「どれどれ行ってみましょうぞ」
こちらの「TIX 4 Tonight」で電光掲示板に表示されているショーのタイトルと時間、枚数を調べて購入するということらしい。
運良く、TI(トレジャーアイランドホテル)で行われている「ミスティア(MIYSTERE)」というサーカスのチケットが半額とまではいかないけれど、95ドル(コンシェルジェに頼むとあと10ドルの手終了を払うようだ)を76ドルで入手出来た。嬉しいのー。アメリカで初めてショーを見る。
購入したチケットは正規のチケットではなく購入証明みたいなもので、ミスティアのチケット売り場で正規のチケットに交換してもらってから会場に入る。この会場はどの席からもステージを見ることが出来るようにステージを囲んで半円状に客席がある。
客席(椅子)には飲み物を置けるように(車などに付いてるような)丸い置き場所がある。助かる。歌舞伎座を建て替える時にはこれを付けて欲しいなと思う。
7時半の開演。
それよりも前(10分くらい前か)から、チャップリンのような風貌の人がお客をからかっては場内が笑いの渦にする。言葉がわからなくても見ていてわかる。おかしい。そのままスルスルっとステージに引き込む。そして、和太鼓の音で始まる。サーカスと呼ぶには、あまりにも優雅。バレーの要素と、体操の要素と、そうして人間わざとは思えないサーカスの要素が見事に調和した、すごいステージだ。
音は生演奏。音と演技と、そして照明が一体となる。
鍛え抜かれた身体は、「才能がどうの」とか、「持って生まれた要素がどうの」とか言う前に、これだけの身体にはどれほどの努力の時間があるのか、容易に想像出来るほどの筋肉だ。スゴイ、すごい。エンターテイメントとはかくあるのだと思った。
こういう事を仕事に出来るアメリカという国はすばらしいと思う。日本でオリンピッック選手として名をなした人でも、せいぜいコーチや解説者になるしかないならば、それはあまりにも寂しい。オリンピックは登竜門であり、その先にプロの世界があるという状況が日本でも当たり前になるべきだと思う。なにか日本のスポーツマン精神って、金の話をしにくい状況ってあるけど、プロは金を稼ぐことでさらにがんばれるのではないだろうか。
演技の最後は和太鼓で終わる。日本の太鼓がこんなにすごいエンターテイメントで活躍するのを見るのは嬉しい。ミスティアを見ることが出来て、本当に良かった。